2型糖尿病治療薬「エクメット配合錠」承認取得 国内初のDPP-4阻害薬とビグアナイド薬の配合剤

2015.09.29
 ノバルティス ファーマは、国内初のDPP-4阻害薬とビグアナイド薬の配合剤「エクメット」の承認を取得した。2型糖尿病患者に対してインスリン分泌促進とインスリン抵抗性改善の両面から効果的な治療が期待できるとしている。
 同社が承認を取得したのは、DPP-4阻害薬「エクア錠」(一般名:ビルダグリプチン)と、ビグアナイド薬であるメトホルミン塩酸塩を配合した2型糖尿病治療薬「エクメット配合錠LD」(ビルダグリプチン/メトホルミンとして50mg/250mg)、「エクメット配合錠HD」(ビルダグリプチン/メトホルミンとして50mg/500mg)。

 国内で実施された臨床試験では、メトホルミンの単独投与で効果不十分な患者を対象にビルダグリプチンを12週間併用投与したところ、HbA1cの投与前からの変化量は-1.1%だった。また、ビルダグリプチンの単独投与で効果不十分な患者を対象に「エクメット」を14週間投与したところ、HbA1cの投与前からの変化量は-0.8%であり、いずれの臨床試験においても良好なHbA1cの低下が認められた。

 また、ビルダグリプチンおよびメトホルミンを投与された241例中、48例(19.9%)に臨床検査値異常を含む副作用が認めらた。主な副作用は便秘7例(2.9%)、アミラーゼ増加6例(2.5%)、下痢5例(2.1%)、悪心4例(1.7%)等だった。

 2型糖尿病の治療に用いられる経口血糖降下薬のクラスは現在7種類あり、いずれも第一選択薬として使用可能だが、これらの第一選択薬の単独投与で血糖値のコントロールが十分に得られない場合は、作用機序の異なる血糖降下薬の併用療法が推奨されている。

 「エクメット」は、2型糖尿病の適応症で2007年にEUで初めて承認されて以来、120の国と地域で承認されている。

エクメット配合錠LD、HD 製品概要

製品名「エクメット配合錠LD」
「エクメット配合錠HD」
一般名 ビルダグリプチン/メトホルミン塩酸塩
成分・含量 「エクメット配合錠LD」:1錠中ビルダグリプチン50mg及びメトホルミン塩酸塩(日局)250mgを含有する。
「エクメット配合錠HD」:1錠中ビルダグリプチン50mg及びメトホルミン塩酸塩(日局)500mgを含有する。
効能又は効果 2型糖尿病
ただし、ビルダグリプチン及びメトホルミン塩酸塩の併用による治療が適切と判断される場合に限る。
用法及び用量 通常、成人には1回1錠(ビルダグリプチン/メトホルミン塩酸塩として50mg/250mg又は50mg/500mg)を1日2回朝、夕に経口投与する。
承認取得日 2015年9月28日
製造販売 ノバルティス ファーマ(株)

エクメット錠(ノバルティス ファーマ)

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

脂質異常症の食事療法のエビデンスと指導 高TG血症に対する治療介入を実践 見逃してはいけない家族性高コレステロール血症
SGLT2阻害薬を高齢者でどう使う 週1回インスリン製剤がもたらす変革 高齢1型糖尿病の治療 糖尿病治療と認知症予防 高齢者糖尿病のオンライン診療 高齢者糖尿病の支援サービス
GLP-1受容体作動薬の種類と使い分け インスリンの種類と使い方 糖尿病の経口薬で最低限注意するポイント 血糖推移をみる際のポイント~薬剤選択にどう生かすか~ 糖尿病関連デジタルデバイスの使い方 1型糖尿病の治療選択肢(インスリンポンプ・CGMなど) 二次性高血圧 低ナトリウム血症 妊娠中の甲状腺疾患 ステロイド薬の使い分け 下垂体機能検査
NAFLD/NASH 糖尿病と歯周病 肥満の外科治療-減量・代謝改善手術- 骨粗鬆症治療薬 脂質異常症の治療-コレステロール低下薬 がんと糖尿病 クッシング症候群 甲状腺結節 原発性アルドステロン症 FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症 褐色細胞腫

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新ニュース記事

よく読まれている記事

関連情報・資料