糖尿病治療研究会 設立35周年記念事業
初の経口投与型GLP-1受容体作動薬、セマグルチド(製品名:リベルサス)発売。
「糖尿病医療 進歩の歴史 -全記録年表-」
低血糖時の救急処置として、グルカゴンの経鼻製剤(製品名:バクスミー)発売。
週1回投与のGLP-1受容体作動薬、セマグルチド(製品名:オゼンピック)発売。
超速効型インスリンである「インスリン リスプロ」に添加剤を加えることで、皮下からの吸収を速め、より速い血糖降下作用を発揮する製剤(製品名:ルムジェブ)発売。「“超”超速効型インスリン」と表現されることも。
SGLT2阻害薬のうち、イプラグリフロジン(スーグラ)とダパグリフロジン(フォシーガ)が、1型糖尿病に対する保険適用を取得。SGLT2阻害薬は、インスリン分泌やインスリン作用を介さずに血糖降下作用を発揮するため、インスリン分泌が枯渇した状態でも効果を発揮し得る。1型糖尿病に対する経口血糖降下薬はα-グルコシダーゼ阻害薬依頼。なお、海外では、同クラスの1型糖尿病への適応申請に対し、欧州医薬品庁(EMA)はBMI 27以上に限定して承認、米食品医薬品局(FDA)は承認を見送った。日本糖尿病学会では、「1型糖尿病患者への使用に際しては十分な注意と対策が必要」とし、SGLT2阻害薬使用に関するRecommendationを改訂。「一定のリスクが伴うことを十分に認識すべきであり、使用する場合は十分に臨床経験を積んだ専門医の指導のもと、患者自身が適切かつ積極的にインスリン治療に取り組んでおり、それでも血糖コントロールが不十分な場合にのみ使用を検討すべき」としている。
週1回投与のDPP-4阻害薬、トレラグリプチン(製品名:ザファテック)発売。
SGLT2阻害薬のエンパグリフロジン(製品名:ジャディアンス)発売。
週1回投与のDPP-4阻害薬、オマリグリプチン(製品名:マリゼブ)発売。
週1回投与のGLP-1受容体作動薬、デュラグルチド(製品名:トルリシティ皮下注アテオス)発売。
日本糖尿病学会がSGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendationを発表。高齢者への慎重投与、脱水防止について患者への説明も含め十分対策をとることなどを促している。同薬は新しい作用機序の血糖降下薬で、この年が発売ラッシュ。
国内初のSGLT2阻害薬の発売元年。5成分6製品が相次いで発売される。イプラグリフロジン(製品名:スーグラ)、ダバグリフロジン(製品名:フォシーガ)、ルセオグリフロジン(製品名:ルセフィ)、トホグリフロジン(製品名:アプルウェイ、デベルザ)、カナグリフロジン(製品名:カナグル)
糖尿病用薬としては初となる、バイオ医薬品の後発医薬品に相当する「バイオシミラー」としてインスリングラルギン(ランタス)が発売される。
DPP-4阻害薬のサキサグリプチン(製品名:オングリザ)発売。
週1回投与のGLP-1受容体作動薬、エキセナチド(製品名:ビデュリオン)発売。
日本糖尿病学会がビグアナイド薬の適正使用に関するRecommendationを発表。ビグアナイド薬はかつて国内でほとんど使われていなかったが、効果や安全性が見直されるとともに使用頻度が増加。それととも同薬特有の副作用報告が増える傾向がみられたことに対応したもの。乳酸アシドーシス回避のため、腎機能低下例、アルコール摂取、高齢者、脱水などへの注意を喚起。
DPP-4阻害薬のテネリグリプチン(製品名:テネリア)、アナグリプチン(製品名:スイニー)発売。
DPP-4阻害薬のリナグリプチン(製品名:トラゼンタ)発売。
速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)のレパグリニド(製品名:シュアポスト)発売。
インスリン療法からGLP-1受容体作動薬へ切替え後に著明な高血糖を来したりケトアシドーシスを発症し死亡に至った症例が複数報告され、インクレチン関連薬の適正使用に関する委員会が緊急情報を出して注意喚起。
SU薬を使用中で血糖管理不良であった患者に、このころ発売されつつあったインクレチン関連薬を併用した結果、重度の低血糖が生じた症例が複数報告され、併用に際してはSU薬を減量するよう注意が喚起される。
DPP-4阻害薬のアログリプチン(製品名:ネシーナ)発売。
DPP-4阻害薬のビルダグリプチン(製品名:エクア)発売。
GLP-1受容体作動薬の発売元年。2製品が発売される。リラグルチド(製品名:ビクトーザ)、エキセナチド(製品名:バイエッタ)
DPP-4阻害薬のシタグリプチン(製品名:グラクティブ、ジャヌビア)発売。
薬剤取り違え防止対策の一環でインスリン製剤の販売名が一部変更される。
α-グコシダーゼ阻害薬(α-GI)薬のミグリトール(製品名:セイブル)発売。
グリニド薬(速効型インスリン分泌促進薬)のミチグリニド発売。
インスリン グラルギンの使用により発癌の頻度が高くなるとの報告(その後の研究でこの因果関係は否定)されたことに対応し、厚労省が「今後の報告に注意し必要な対応を検討するも、現段階で対策は必要ない」とする安全性情報を発表。また、患者が自己判断でインスリン注射を中断する可能性が危惧されたことから、日本糖尿病学会/協会はそのようなことをしないよう注意を呼び掛けた。
インスリンの40単位/mL製剤の出荷が終了し、100単位/mL製剤のみに。なお、2015年には300単位/mL製剤も登場。
超速効型のインスリンアナログ製剤「インスリンアスパルト」が発売される。
超速効型のインスリンアナログ製剤「インスリンリスプロ」が発売される。
スルホニルウレア(SU)薬のグリメピリド発売。
グリニド薬(速効型インスリン分泌促進薬)のナテグリニド発売。
チアゾリジン(TZD)薬のピオグリタゾン発売。
チアゾリジン(TZD)薬のトログリタゾン発売。薬剤性肝障害の副作用により2000年に販売中止。
α-グコシダーゼ阻害薬(α-GI)薬のボグリボース発売。
α-グコシダーゼ阻害薬(α-GI)薬のアカルボース発売。
糖尿病神経障害治療薬としてアルドース還元酵素阻害薬(ARI)のエパルレスタットが発売される。
インスリン療法の利便性を格段に高めたペン型注入器が発売され、以後急速に浸透。
スルホニルウレア(SU)薬のグリクラジド発売。
河盛らは、既に開発済みであった体外式人工膵島を改良し、あらかじめパターン化したプログラムにそってインスリン注入率が変更されるタイプを発表。
この年、Pickupらが持続皮下インスリン注入療法(CSII)の導入例を報告。
七里、河盛らが国内で体外式人工膵島を開発。
Albisserらが体外式の人工膵島を開発。
ノボ社がモノコンポーネント(MC)インスリンを発売。インスリン製剤は投じ、ブタ等の膵臓から抽出して精製し作られていたが、精製技術が未熟だっため、多くの不純物を含んでおり、インスリン抗体の出現などのアレルギー反応が少なくなかった。MCインスリンは精製の純度を高め、不純物を格段に少なくした製剤。
スルホニルウレア(SU)薬のグリベンクラミド発売。
ビグアナイド(BG)薬のブホルミン発売。
スルホニルウレア(SU)薬のクロルプロパミド発売。
スルホニルウレア(SU)薬のアセトヘキサミド発売。
スルホニルウレア(SU)薬のグリクロピラミド発売。
ビグアナイド(BG)薬のメトホルミンが国内で使われ始める。同薬は、類薬で生じた乳酸アシドーシスの懸念のためにほとんど用いられない時期があったが、その後見直され現在でも主要血糖降下薬の一角を占めている。
スルホニルウレア(SU)薬のトルブタミドが国内で使われ始める。2015年に販売中止。
メゾ蓚酸カルシウム(メゾキサン)が発売される。
スルホニルウレア(SU)薬のカルブタミドが国内に輸入される。ただし臨床には使用されず、SU薬の実際の臨床使用は翌年発売されたトルブタミドから。
ビグアナイド(BG)薬のフェンホルミンが国内で発売される。ただし、副作用で乳酸アシドーシスを起こすことが報告され、臨床ではあまりつかわれないまま1977年に販売中止。
Hans Christian Hagedorn らは、自身らが開発した「プロタミン亜鉛インスリン」を改良し、さらに作用持続時間を安定化させた「neutral protamine hagedorn(NPH)製剤」を開発。これは現在でも中間型インスリンとして用いられている。
静岡県の清水水産が武田薬品の協力のもと発足させた清水製薬が、魚類由来のインスリンの製剤化に成功。折から戦時体制によりインスリン原末の輸入が途絶えていたことから、国内の糖尿病患者の治療に用いられた。
動物から抽出・精製したインスリン製剤はもともと作用時間の短い、いわゆる速効型に相当するため、それのみでは高血糖の急性症状や急性合併症の抑制には効果があるものの、安定した血糖コントロールの維持は困難であった。デンマークの医師 Hagedorn HCらは、それまでのインスリン製剤にプロタミン亜鉛を添加した製剤を開発。これによりインスリン製剤の作用時間が長くなり、頻回の注射によらない安定したコントロールも可能になった。
ウシやブタの膵臓から抽出・精製し製剤化した国産初のインスリン製剤が発売される。
国際連盟保健部がトロント大学および各社のインスリン粉末を混合し、1mgを8単位とする。その後、製剤技術の進歩を反映し変更される。
トロントのグループが膵からの抽出液isletinをinsulinと名付け、製剤化。以後、イーライリリー社やノルディスク社などにより大量生産へ。
Frederick Bantingらが抽出したisltinが14歳の1型糖尿病患者に初めて投与される。当初は抽出物の精製が未熟であったためはほとんど効果がなくアレルギー反応が現れ1回限りで中止されたが、ほどなく精製度を高めたものが用いられ、患者の血糖値は正常値に低下した。これにより、糖尿病が治療可能な疾患になった。
糖尿病医療 進歩の歴史—全記録年表—
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