COVID-19 唾液を使うPCR検査と抗原定量検査を無症状者にも拡大 簡単で30分で結果が判明

2020.07.22
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の診断に用いるPCR検査および抗原定量検査について、厚生労働省は、有症者だけでなく、無症状の人を対象にした検査にも唾液を使うことを承認した。

無症状者の唾液PCR検査・抗原定量検査が可能に

 厚生労働省は7月17日、唾液検体を用いた検査の対象を、海外からの入国者、濃厚接触者など、無症状者にも拡大する方針を示した。

 これまで唾液PCR検査と唾液抗原定量検査は、有症者の発症後9日までに限って認めていた。

 唾液PCR検査は、鼻の奥の粘液を綿棒で採取する従来の方法よりも簡単で、安全に検体を採取でき、結果も短時間で判明する。

 唾液に含まれるウイルス量は鼻の粘液よりも少なく、これまで唾液PCR検査の精度は低いとの指摘もあった。

 そこで厚労省が東京都内で無症状の感染者約90人を対象に、従来の方法と唾液を用いた方法の双方について検査精度を比較したところ、発症から9日以内なら、結果はほぼ一致した。北海道大学の研究でも、唾液を使った方法の有効性が確認されている。

 このため、空港の検疫所で入国検査を受ける無症状の人や、感染者の濃厚接触者らの感染の有無を調べるPCR検査の検体に、唾液を用いる検査は問題ないとの結論に達した。これらの検査には公費を負担する。

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出典:厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部、2020年

 政府の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」(会長:尾身茂・地域医療機能推進機構理事長)は、無症状の人に対する検査のあり方について議論しており、検査対象を、(1)有症状者、(2)無症状で感染リスクが高いとみられる人、(3)無症状で感染リスクが低いとみられる人の3つに分類。症状の無い(2)については公費負担し、(3)については企業や個人の費用負担を前提に、検査体制を整備する方針を示している。

 6月に承認された富士レビオの抗原検査試薬「ルミパルス SARS-CoV-2 Ag」は、専用の検査装置を用いた定量検査で、唾液検体を用いてSARS-CoV-2抗原を測定できる。検査時間は30分で、陽性・陰性を判定できる。

 なお、簡易検査キットを用いる抗原検査については、従来通り無症状者は対象としない。

 5月に承認された抗原定性検査の簡易検査キット「エスプライン SARS-CoV-2」は、発症後9日以内の有症状者に対して鼻咽頭で検査を行う場合には確定診断ができるが、有症状者で発症後10日以降に陰性と判定された場合には確定診断を行うために追加で鼻咽頭PCR検査を行う必要がある。

新型コロナウイルス感染症について(厚生労働省)
エスプライン SARS-CoV-2(富士レビオ)

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