α-グルコシダーゼ阻害薬

α-グルコシダーゼ阻害薬の特徴

食べ物に含まれている糖質の分解・消化を妨げることで、食後の血糖値上昇を抑える。α-GIと糖質が、小腸内で同時に存在しなければ効果がないので、食事を開始する直前に服用する。効果の現れ方が比較的緩やかであり、食事療法と運動療法を怠ると効果が薄れる。低血糖対策のためにショ糖(砂糖)ではなくブドウ糖20gを必ず携行しておくこと。

  • 腸管からの糖吸収を遅らせ、食後高血糖を抑制する。特に空腹時血糖があまり高くない食後高血糖に適する。
  • 毎食直前に服用する(食後では効果がない)。
  • 単独投与では低血糖はほとんどみられないが、併用療法の際には、低血糖が起こるとα-GIがニ糖類(ショ糖(砂糖)など)の消化吸収を遅延させるので、常にブドウ糖を携行させる(ショ糖(砂糖)は不可)。
  • 副作用として腹部膨満、放屁増加がみられる。食事療法・運動療法が守られていることが望ましい。

α-グルコシダーゼ阻害薬 一覧表

一般名:アカルボース

グルコバイ錠50mg、100mg

グルコバイ錠50mg

[50mg]

グルコバイ錠100mg

[100mg]

PMDA/添付文書

製造販売元:バイエル薬品(株)

効能・効果
糖尿病の食後過血糖の改善(ただし,食事療法・運動療法によっても十分な血糖コントロールが得られない場合、または食事療法・運動療法に加えて経口血糖降下薬もしくはインスリン製剤を使用している患者で、十分な血糖コントロールが得られない場合に限る)。
用法・用量
アカルボースとして、成人では通常1回100mgを1日3回、食直前に経口投与する。ただし、1回50mgより投与を開始し、忍容性を確認した上、1回100mgへ増量することもできる。なお、年齢,症状に応じ適宜増減する。
警告・禁忌
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
1.重症ケトーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡の患者[輸液およびインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない]。
2.重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリンによる血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない]。
3.本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。
4.妊婦または妊娠している可能性のある婦人(添付文書参照)。

グルコバイOD錠50mg、100mg

グルコバイOD錠50mg

[50mg]

グルコバイOD錠100mg

[100mg]

PMDA/添付文書

製造販売元:バイエル薬品(株)

効能・効果
糖尿病の食後過血糖の改善(ただし、食事療法・運動療法によっても十分な血糖コントロールが得られない場合、又は食事療法・運動療法に加えて経口血糖降下薬若しくはインスリン製剤を使用している患者で十分な血糖コントロールが得られない場合に限る)。
用法・用量
アカルボースとして、成人では通常1 回100mgを1 日3 回、食直前に経口投与する。ただし、1 回50mgより投与を開始し、忍容性を確認したうえ1 回100mgへ増量することもできる。なお、年齢、症状に応じ適宜増減する。
警告・禁忌
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
1.重症ケトーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡の患者[輸液およびインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない]。
2.重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリンによる血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない]。
3.本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。
4.妊婦または妊娠している可能性のある婦人(添付文書参照)。

一般名:ボグリボース

ベイスン錠0.2、0.3

ベイスン錠0.2

[0.2]

basen_0.3

[0.3]

PMDA/添付文書

製造販売元:武田テバ薬品(株)、販売:武田薬品工業(株)

効能・効果
糖尿病の食後過血糖の改善(ただし、食事療法・運動療法を行っている患者で十分な効果が得られない場合、または、食事療法・運動療法に加えて経口血糖降下剤、もしくはインスリン製剤を使用している患者で、十分な効果が得られない場合に限る)。
耐糖能異常における2型糖尿病の発症抑制(※錠0.2のみ)(ただし、食事療法・運動療法を十分に行っても改善されない場合に限る)。
用法・用量
糖尿病の食後過血糖の改善の場合:通常、成人にはボグリボースとして1回0.2mgを1日3回毎食直前に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら1回量を0.3mgまで増量することができる。
耐糖能異常における2型糖尿病の発症抑制の場合(※錠0.2のみ):通常、成人にはボグリボースとして1回0.2mgを1日3回毎食直前に経口投与する。
警告・禁忌
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
1.重症ケトーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡の患者[輸液およびインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない]。
2.重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない]。
3.本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者。

ベイスンOD錠0.2、0.3

basen_od0.2

[0.2]

basen_od0.3

[0.3]

PMDA/添付文書

製造販売元:武田テバ薬品(株)、販売:武田薬品工業(株)

効能・効果
糖尿病の食後過血糖の改善(ただし、食事療法・運動療法を行っている患者で十分な効果が得られない場合、または、食事療法・運動療法に加えて経口血糖降下剤、もしくはインスリン製剤を使用している患者で、十分な効果が得られない場合に限る)。
耐糖能異常における2型糖尿病の発症抑制(※錠0.2のみ)(ただし、食事療法・運動療法を十分に行っても改善されない場合に限る)。
用法・用量
糖尿病の食後過血糖の改善の場合:通常、成人にはボグリボースとして1回0.2mgを1日3回毎食直前に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら1回量を0.3mgまで増量することができる。
耐糖能異常における2型糖尿病の発症抑制の場合(※錠0.2のみ):通常、成人にはボグリボースとして1回0.2mgを1日3回毎食直前に経口投与する。
警告・禁忌
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
1.重症ケトーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡の患者[輸液およびインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない]。
2.重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない]。
3.本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者。

一般名:ミグリトール

セイブル錠25mg、50mg、75mg

seibule_25

[25mg]

seibule_50

[50mg]

seibule_75

[75mg]

PMDA/添付文書

製造販売元:(株)三和化学研究所

効能・効果
糖尿病の食後過血糖の改善(ただし、食事療法・運動療法を行っている患者で十分な効果が得られない場合、又は食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤、ビグアナイド系薬剤若しくはインスリン製剤を使用している患者で十分な効果が得られない場合に限る)
用法・用量
通常、成人にはミグリトールとして1回50mgを1日3回毎食直前に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら1回量を75mgまで増量することができる。
警告・禁忌
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
1.重症ケトーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡の患者[輸液およびインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない]。
2.重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない]。
3.本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者。
4.妊婦または妊娠している可能性のある婦人[詳細は添付文書を参照]。

セイブルOD錠25mg、50mg、75mg

セイブルOD錠25mg

[25mg]

セイブルOD錠50mg

[50mg]

セイブルOD錠75mg

[75mg]

PMDA/添付文書

製造販売元:(株)三和化学研究所

効能・効果
糖尿病の食後過血糖の改善(ただし、食事療法・運動療法を行っている患者で十分な効果が得られない場合、又は食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤、ビグアナイド系薬剤若しくはインスリン製剤を使用している患者で十分な効果が得られない場合に限る)
用法・用量
通常、成人にはミグリトールとして1回50mgを1日3回毎食直前に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら1回量を75mgまで増量することができる。
警告・禁忌
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
1.重症ケトーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡の患者[輸液およびインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない]。
2.重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない]。
3.本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者。
4.妊婦または妊娠している可能性のある婦人[詳細は添付文書を参照]。

患者さん指導・説明用動画(糖尿病3分間ラーニング より)

糖尿病3分間ラーニングとは?

糖尿病患者さんがマスターしておきたい糖尿病の知識を、全50タイトルの動画をテーマ別に約3分にまとめた新しいタイプの糖尿病学習用動画です。

糖尿病治療薬の特徴と服薬指導のポイント 加藤光敏 先生(加藤内科クリニック院長)

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