2型糖尿病治療剤「Imeglimin」の日本での第3相「TIMES 2」試験の速報 ミトコンドリア機能を改善

 大日本住友製薬は、2型糖尿病を対象としてフランとのPoxel社と共同で日本で開発中の「imeglimin」の第3相試験の1つである「TIMES 2」試験の結果を発表した。同剤とDPP-4阻害薬などの血糖降下剤との併用療法および同剤単剤療法において、良好な解析結果を得たという。
ミトコンドリア機能を改善する独自メカニズムの新薬
 「TIMES 2」試験は、714人の日本人の2型糖尿病患者を対象とした、52週間の非盲検、並行群間比較試験で、同剤1,000mgを1日2回経口投与または既存の血糖降下剤(DPP-4阻害薬、チアゾリジン薬、αGI薬、グリニド薬、ビグアナイド薬、SGLT2阻害薬、SU薬、GLP-1受容体作動注射剤)と併用投与し、長期での同剤の安全性および有効性を評価した。なお同試験は、非盲検試験であり、プラセボとの比較は行っていない。

 その結果、有効性の重要な評価項目である投与52週間後のHbA1cのベースラインからの変化量(最小二乗平均)において、同剤投与群はHbA1cを低下させた(併用療法:DPP-4阻害薬 -0.92%、チアゾリジン薬 -0.88%、α-GI薬 -0.85%、グリニド薬 -0.70%、ビグアナイド薬 -0.67%、SGLT2阻害薬 -0.57%、SU薬 -0.56%、GLP-1受容体作動薬 -0.12%/単剤療法 -0.46%)。

 また同剤は、「TIMES 2」試験における他の有効性の重要な評価項目を達成し、空腹時血糖(FPG)を低下させた。FPGの変化量は、FPGの変化量がHbA1cの変化量に比較して大きかったGLP-1受容体作動薬併用群を除き、HbA1cの変化量の大きさと一致していた。単剤療法におけるHbA1cとFPGの変化量は、プラセボと比較していないベースラインからの変化量を検討した場合、同様の患者集団を対象とした日本でのフェーズ2b試験などの以前の試験結果と同様だった。

 安全性については、同剤は、全ての投与群において総じて良好な忍容性を示し、有害事象は、同剤の日本での単剤投与試験である「TIMES 1」試験、インスリン製剤との併用療法試験である「TIMES 3」試験および他の臨床試験で観察された内容と同様の結果になった。

 「Imeglimin」は、テトラヒドロトリアジン系化合物に分類される新規化学物質。ミトコンドリア機能を改善するという独自のメカニズムをもち、また2型糖尿病治療において重要な役割を担う3つの器官(膵臓・筋肉・肝臓)で、グルコース濃度依存的なインスリン分泌の促進、インスリン抵抗性の改善、および糖新生の抑制という作用を示し、血糖降下作用をもたらす。

 同剤は、糖尿病によって引き起こされる細小血管・大血管障害の予防につながる血管内皮機能および拡張機能の改善作用や、膵臓β細胞の保護作用を有する可能性も示唆されている。

 同社は、2020年度に日本での同剤の新薬承認申請を行い、2021年度に発売することを目指している。

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[Terahata]

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編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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