テルモ、海外での糖尿病治療のデジタル化を推進 情報管理システム(DMS)で測定データを一元管理

2021.03.19
 テルモは3月18日、糖尿病領域の遠隔患者支援ソフトウェアとモバイルアプリを提供しているGlooko社(米国・カリフォルニア州)と糖尿病治療のデジタル化推進を目指した戦略的提携を締結したと発表した。
 この提携により4月1日から、欧州含む海外でテルモのインスリンポンプや血糖測定器のデータをGlooko社の情報管理システム(DMS)上で確認できるようになる。*

デジタル技術活用を加速し、患者のより良い未来の実現を目指す

メディセーフウィズ装着イメージ

Glooko社のdiasend platform

 糖尿病は現在まだ根治が難しく、患者にとっては日々の血糖値やインスリン投与量などを細かく管理することが治療の要となっている。テルモは、糖尿病領域で、1982年から約40年にわたりインスリン用注射針や血糖測定器、パッチ式インスリンポンプなどの幅広い製品群を世界各国に展開している。

 一方、Glooko社は、血糖値やインスリン投与量など、糖尿病治療に関連するデータを一元管理できるプラットフォームを開発しており、現在27ヵ国にサービスを展開している。

 両社は、まずは欧州で、2020年11月にCEマークを取得したパッチ式インスリンポンプ「メディセーフウィズ」と、血糖測定器である「メディセーフフィットスマイル」で、Glooko社のdiasend platformとの連携を開始する。

 インスリン投与量や血糖値など糖尿病に関するデータを複合的に可視化・分析することで、メディセーフウィズとメディセーフフィットスマイルを使用している患者自身や医療従事者の疾病管理をより幅広く、多面的にサポートする。

 データ共有の仕組みにより、医師が院内での診察や遠隔指導にも活用することができるようになる。

 また、近い将来には、モバイルアプリとの連携も見込んでいる。血糖値上下の傾向などの情報が手元で可視化され、個々人の治療効果が高まることが期待されている。

 テルモは、「医療を通じて社会に貢献する」という理念を掲げ、100年の歴史をもつ、日本発の医療機器メーカーだ。国産体温計の製造に始まり、設立以来、医療の基盤を支え続けてきた。現在は、カテーテル治療、心臓外科手術、薬剤投与、糖尿病管理、腹膜透析、輸血や細胞治療などに関する幅広い製品・サービスを提供している。

 同社は世界160以上の国と地域で事業を展開している。「患者や医療従事者をはじめ、広く社会にとって価値ある企業を目指し、これからも製品やサービスのデジタル技術活用を加速し、患者のより良い未来の実現を目指します」としている。

* 現時点では日本での展開は予定していない。

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