【新型コロナ】高齢で基礎疾患があると死亡リスクは上昇 80歳以上で基礎疾患のある患者では致命率は20%超 国立感染症研

 国立感染症研究所が、日本の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の年齢別の致命割合を公表した。COVID-19レジストリデータを用いた調査で、病原微生物検出情報(IASR)の速報として発表したもの。
 感染自体は若い人でも、高齢の人でも、起こりうるが、高齢者では年齢が高くなるほど重症化しやすく、とくに基礎疾患のあり高齢者は致命率が高くなることが示された。
致命割合は全体で4.2% 年齢が高くなるにつれて上昇
 国立感染症研究所は、COVID-19レジストリデータを用いた調査により、日本の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の年齢別の致命割合を公表した。

 対象となったのは、2020年9月30日までに433施設に入院した患者(死亡退院を含む)1万2,599人(60歳以上が37.6%)。

 統計などでは通常は、「死亡率」が「一定期間における死亡数/診断症例数」として用いられるが、今回の調査については、現在流行している病気の死亡者数を集計しており、一定の観察期間を想定していないため、「症例致命割合」(Case Fatality Ratio)として算出した。これは、「死亡数/流行疾病の診断症例数」として用いるもの。

 その結果、症例致命割合(CFR)は、全体で4.2%(60歳未満は0.3%、60歳以上は10.7%)と、60歳未満ではほとんどの人は生存していることが分かった。

 しかし、基礎疾患のある人の致命割合は、60歳未満は1.0%、60~64歳4.4%、65~69歳7.2%、70~74歳7.5%、75~79歳12.8%、80歳以上20.5%と、基礎疾患のない患者に比べ高く、年齢が高くなるにつれて上昇することが分かった。

 基礎疾患がない人の致命割合についても、60歳未満0.1%と低いが、70~74歳で3.7%、80歳以上12.8%と、やはり年齢が高くなるにつれて上昇する。

 なお、今回の調査では、下記の基礎疾患をひとつでも有する者を基礎疾患のある患者とした。
心疾患(心筋梗塞・うっ血性心不全)、末梢血管疾患、脳血管障害、片麻痺、認知症、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患:COPD、慢性肺疾患、気管支喘息)、肝機能障害、腎機能障害、高血圧症、高脂血症、糖尿病、肥満、消化性潰瘍、固形癌、リンパ腫、白血病、膠原病、HIV/AIDS。

 感染研は、2020年7月の時点で入力が完了していたCOVID-19入院患者2,638例について、症例の半数以上が男性であり、全体の60%近くがCOVID-19感染者との濃厚接触歴があったこと、基礎疾患として多かったのは高血圧(15%)、合併症をともわない糖尿病(14.2%)で、66.9%の患者が自宅退院し、7.5%が入院中に死亡したことなども報告している。

 感染研は今回の研究について、「退院が完了した症例からデータの登録を行うため直近の症例の中でも入院が長期化している症例は含まれていないこと、死亡は転帰項目をもとに収集しておりCOVID-19との明確な因果関係を調査する項目は取得していないこと、本データ12月2日時点で登録された症例を対象とした結果でありレジストリの登録状況により値が変動すること、一部欠損項目があり加算数と総数が一致しないことがあることに留意が必要」としている。

国立感染症研究所 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報

COVID-19に関するレジストリ研究
[Terahata]

関連ニュース

2021年01月05日
医療ビッグデータを解析する人工知能(AI)を開発 健康診断のデータから生活習慣病の発症因子を推定 エビデンスに基づく保健指導の実現へ
2021年01月05日
【新型コロナ】高齢で基礎疾患があると死亡リスクは上昇 80歳以上で基礎疾患のある患者では致命率は20%超 国立感染症研
2021年01月04日
【糖尿病ニュース TOP15】1年間で最も読まれたニュースは? 糖尿病リソースガイド/糖尿病ネットワーク
2020年12月28日
糖尿病を契機に膵がんを早期発見すると治療向上につながる 糖尿病患者の膵がんリスクは2倍
2020年12月24日
「ファリシマブ」が糖尿病黄斑浮腫の第3相試験で主要評価項目を達成 良好な持続性も 初のバイスペシフィック抗体
2020年12月24日
高脂血症治療薬「ピタバスタチン」の抗がん作用を発見 ドラッグ リパーパシングで新たな抗がん剤候補を探索 東京医歯大
2020年12月23日
【新型コロナ】医療機関の受診控えで健康リスクが上昇 日本医師会は安心マークを発行「医療機関では感染防止を徹底している」
2020年12月22日
糖尿病・肥満症外来で血糖のクラウド管理システムを用いた遠隔診療を開始在宅での血圧・体重・血糖値・インスリン使用量などを医師が確認 慶應義塾大学病院
2020年12月22日
SGLT2阻害薬「フォシーガ」が慢性腎臓病(CKD)治療薬としての効能・効果の追加を申請
2020年12月18日
週1回投与デュアルGIP/GLP-1受容体作動薬「Tirzepatide」 2型糖尿病患者のHbA1cおよび体重を有意に減少

関連コンテンツ

編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
ページのトップへ戻る トップページへ ▶