フォシーガの慢性腎臓病患者を対象とした第3相試験 2型糖尿病合併の有無に関わらず腎機能の悪化または死亡のリスクを低減

 アストラゼネカは、SGLT2阻害薬「フォシーガ」(一般名:ダパグリフロジン)の第3相DAPA-CKD試験で、フォシーガが全ての主要評価項目および副次評価項目を達成したと発表した。
2型糖尿病合併の有無に関わらず、慢性腎臓病患者における腎機能の悪化または死亡のリスクを有意に低減
 DAPA-CKD試験は、2型糖尿病合併の有無を問わず、慢性腎臓病ステージ2から4、かつ、アルブミン尿の増加が確認された4,304例の慢性腎臓病患者を対象に、「フォシーガ」10mg投与による効果と安全性をプラセボと比較検討した、国際多施設共同無作為化二重盲検比較試験で、日本を含む21ヵ国で実施された。

 「フォシーガ」は1日1回慢性腎臓病の標準治療に追加投与された。主要複合評価項目は、慢性腎臓病患者で腎機能の悪化もしくは死亡(eGFRの50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、心血管死、腎不全による死亡)のいずれかの発生と定義された。

 副次的複合評価項目には腎機能の悪化もしくは死亡(eGFRの50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、腎不全による死亡)、心血管死もしくは心不全による入院、および全死因死亡のいずれかの初発までの期間と定義された。

 その結果、同剤は成人の慢性腎臓病(CKD)患者で、腎機能の悪化または死亡に関する主要複合評価項目(推定糸球体ろ過量[eGFR]の50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、心血管死、腎不全による死亡のいずれかの発生と定義)で、有意に意義のある効果を示した。

 同試験で、2型糖尿病合併の有無に関わらず、CKD患者で全ての副次的評価項目も達成した。同患者集団で、全死因死亡のリスクを有意に低減したのは同剤がはじめてだという。

 同剤の安全性および忍容性プロファイルは本剤の確立された安全性プロファイルと一貫していた。

 CKDは腎機能低下を認める進行性の病気で、世界中で約7億人の患者がいるが、その多くはまだ診断されていない状態にある。CKDは高い有病率や、心不全や若年死をもたらす心血管イベントリスクの増加に関与するが、現在、これらの患者の治療選択肢は限られている。

 「DAPA-CKD試験は、2型糖尿病合併の有無に関わらず、慢性腎臓病患者で生存期間の改善を含む試験開始当初の想定をはるかに上回る有効性を示した最初の試験です」と、同社では述べている。

 「DAPA-CKD試験は、ダパグリフロジンがCKDの新たな治療選択肢になりうることを示しました。CKD患者に大きな変化をもたらすことになるでしょう」と、同試験とその治験運営委員会の共同代表者であるロンドン大学ユニバーシティ カレッジのDavid Wheeler教授、およびフローニンゲン大学医療センターのHiddo L. Heerspink教授は述べている。

 DAPA-CKD試験は2020年3月に、独立データモニタリング委員会からの試験開始当初の想定をはるかに上回る有効性にもとづく試験終了に関する勧告を受け早期終了した。

 「フォシーガ」は、成人2型糖尿病患者の食事、運動療法の補助療法としての血糖コントロールの改善を適応とし、体重減少と血圧低下の副次的作用を有している。2型糖尿病患者を対象とするDECARE-TIMI58心血管アウトカム試験では、同剤は標準治療への追加療法で、プラセボと比較して、心不全による入院または心血管死の複合評価項目でリスクを低下することが示された。

 同剤は2020年5月に、米国で、2型糖尿病合併の有無に関わらず左室駆出率が低下した(HFrEF)、成人心不全患者(NYHA心機能分類:IIからIV)の心血管死および心不全による入院のリスク低下に対する承認を取得している。

 同剤については現在、心不全患者を対象としたDELIVER試験(左室駆出率が保持された心不全、HFpEF)およびDETERMINE試験(HFrEFおよびHFpEF)が進行中。また、この種の試験では初めてとなる適応症追加を目的としたレジストリにもとづく無作為化比較対照試験であるDAPA-MI試験も進行中。同試験は急性心筋梗塞または心臓発作既往の2型糖尿病患者を対象としている。

 なお、日本で「フォシーガ」の承認された適応症は「2型糖尿病」および「1型糖尿病」であり、慢性腎臓病、HFrEF、HFpEF、急性心筋梗塞または心臓発作既往の2型糖尿病を効能・効果とした承認は取得していない。

アストラゼネカ
[Terahata]

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