2型糖尿病を適応症とした「イメグリミン塩酸塩」の承認申請 ミトコンドリアの機能を改善

 大日本住友製薬は7月30日、2型糖尿病を適応症として、「イメグリミン塩酸塩」の国内での承認申請を行ったと発表した。
 同剤は、ミトコンドリアの機能を改善するという新規メカニズムを有し、2型糖尿病の主な成因であるインスリン分泌不全とインスリン抵抗性の両方を改善する。
ミトコンドリアの機能を改善する独自のメカニズム
 「イメグリミン塩酸塩」の今回の申請には、2型糖尿病を対象とした3本の第3相試験(TIMES1、TIMES2、TIMES3)のデータが含まれている。これらの試験で、同剤は、日本人2型糖尿病患者に対する単剤療法および既存の経口血糖降下剤またはインスリン製剤との併用療法のいずれにおいても、有効性、安全性および忍容性が確認された。

 同剤は、テトラヒドロトリアジン系化合物に分類される新規化学物質であり、同系統の化合物として初めて臨床試験が実施されている。同剤は、ミトコンドリアの機能を改善するという独自のメカニズムを有しており、また、2型糖尿病治療で重要な役割を担う3つの器官(膵臓・筋肉・肝臓)に作用し、グルコース濃度依存的なインスリン分泌を促進するとともに、インスリン抵抗性を改善、糖新生を抑制することで血糖降下作用を示すと考えられている。

 さらに、同剤は、糖尿病によって引き起こされる細小血管・大血管障害の予防につながる血管内皮機能および拡張機能の改善作用や、膵臓β細胞の保護作用を有する可能性も示唆されている。同剤は、2型糖尿病治療での単剤および併用による血糖降下療法で、幅広く使用される治療薬となる可能性がある。

 同社は、日本、中国、韓国、台湾および東南アジア9カ国を対象に、2017年10月にフランスの製薬企業であるPoxel SAより同剤を導入した。
2型糖尿病患者1,100人超の第3相試験を実施
 TIMES試験は、2型糖尿病患者を対象に日本で実施した「イメグリミン塩酸塩」の第3相試験であり、3本の臨床試験から構成されている。TIMES試験では1,100人を超える患者に同剤1回1,000mgを1日2回投与された。

・TIMES1:日本人2型糖尿病患者を対象とした24週間のイメグリミン単剤療法による有効性、安全性および忍容性を検討するプラセボ対照二重盲検比較、無作為化試験

・TIMES2:日本人2型糖尿病患者を対象とした52週間のイメグリミン塩酸塩と既存の血糖降下剤(DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、ビグアナイド薬、SU薬、グリニド薬、α-GI薬、チアゾリジン薬、GLP-1受容体作動薬)との併用療法およびイメグリミン単剤療法による長期での安全性および有効性を検討する非盲検、並行群間比較試験

・TIMES3:日本人2型糖尿病患者およびインスリン製剤を投与しても効果不十分な日本人2型糖尿病患者を対象としたイメグリミン塩酸塩とインスリン製剤との併用療法による有効性および安全性を検討する16週間のプラセボ対照、無作為化、二重盲検比較試験、およびその後36週間の非盲検継続投与試験

 なお、同社と戦略的提携に関する契約を締結しているRoivant Sciences Ltd.の子会社であるMetavant Sciencesが、米国および欧州での同剤の第3相試験を計画している。

大日本住友製薬
[Terahata]

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編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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