腎機能が低下した2型糖尿病患者にメトホルミンは使用可能か eGFRが30未満の患者では禁忌

 腎機能が低下した2型糖尿病患者では、メトホルミンによる単独療法の継続は、SU薬に比べ、主要有害心血管イベント(MACE)のリスクが低いことが、米国のヴァンダービルト大学医療センターの検討で示された。
eGFRが低下している患者でもメトホルミンの使用は可能
 どの薬が一般的な合併症である糖尿病腎症の患者に最適であるかについては長年にわたり議論があるが、今回の報告はそれに一石を投じるものになった。研究の詳細は、JAMA誌2019年9月24日号に掲載された。

 最近まで、腎機能障害のある糖尿病患者でのメトホルミンの使用は、安全性の懸念から制限されていたが、今回の研究は、そうした患者に対するメトホルミンの処方が有効であることを支持するものになった。「これらの結果は、軽度から中等度の腎症の患者でのメトホルミンの使用の継続を促すものになるだろう」と、ヴァンダービルト大学医療センターのChristianne L. Roumie氏は言う。

 今回の研究は、米国の国立退役軍人保健局(VHA)の施設で治療を受けた退役軍人の後ろ向きコホート研究であり、対象となった4万9,478人の大部分が男性退役軍人(中央値70歳、白人82%)で、推算糸球体濾過値(eGFR)が60mL/min/1.73m²未満であるか、血清クレアチニンが男性では1.5mg/dL、女性では1.4mg/dLという閾値を超えていた。

 メトホルミンまたはSU薬の単剤治療を継続した患者は、それぞれ6万7,749例および2万8,976例だった。追跡期間の中央値は、メトホルミン単独療法群で1.0年、SU薬単独療法群で1.2年だった。

 MACEは、メトホルミン群で1,048件(1,000人年あたり23.0)発生し、SU薬群では1,394件(同29.2)発生した。他のリスク変数を調整した後、メトホルミン群ではSU薬群に比較し、急性心筋梗塞、脳卒中、一過性虚血発作、または心血管死を含むMACEを経験する可能性が20%低下した。

 MACEの構成要素である急性心筋梗塞・脳卒中・一過性脳虚血発作による入院(補正後HR:0.87[95%CI 0.80~0.95]、補正後群間発生率差:-2.4[同 -3.7~-0.9])および心血管死(同 0.70[0.63~0.78]、同 -3.8[-4.7~-2.8])についても、同様の結果だった。

 「eGFRが低下している患者では、頻回のモニタリングと減量を行えば、メトホルミンの使用は可能と考えられる。ただし、eGFRが30mL/min/1.73m²未満の患者では禁忌となる」と、Roumie氏は述べている。

 米国食品医薬品局(FDA)は2016年に、軽度~中等度の腎症患者におけるメトホルミンの安全性について、エビデンスにもとづきガイダンスを変更し、軽度腎機能障害(eGFR:45~60mL/分/1.73m²)では安全に使用できるとしているが、中等度腎機能障害(30~45mL/分/1.73m²)では一部を除いて推奨していない。

Comparing major adverse cardiovascular events among patients with diabetes, reduced kidney function treated with metformin or sulfonylurea(JAMA 2019年9月19日)
Association of Treatment With Metformin vs Sulfonylurea With Major Adverse Cardiovascular Events Among Patients With Diabetes and Reduced Kidney Function(JAMA 2019年9月19日)
[Terahata]

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編集部注:
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