超速効型インスリンアナログ製剤「フィアスプ注」承認取得 ノボラピッド注より吸収速度が速く血糖降下作用も速い ノボ
2019.09.25
ノボ ノルディスク ファーマは、新規の超速効型インスリンアナログ製剤「フィアスプ注 フレックスタッチ」「フィアスプ注 ペンフィル」「フィアスプ注 100単位/mL」〔一般名:インスリン アスパルト(遺伝子組換え)〕について、「インスリン療法が適応となる糖尿病」を効能・効果として、厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表した。
ノボラピッド注に対する非劣性を確認
「フィアスプ注」は、インスリン アスパルトを有効成分とした新しい製剤で、添加剤であるニコチン酸アミドにより、皮下投与後初期のインスリン アスパルトの血中への吸収速度を速め、かつ血糖降下作用が速く発現するよう、ノボラピッド注の処方を変更した製剤。 日本における同剤の承認は、主に2つの国際共同第3相試験「onsetTM7」(小児1型糖尿病患者)および「onsetTM8」(成人1型糖尿病患者)の成績にもとづいている。これらの臨床試験において、持続型インスリン製剤(インスリン デグルデク)との併用(Basal-Bolus療法)により有効性(血糖コントロールの改善)および安全性が検討された。 「onsetTM72」は、Basal-Bolus療法実施中の小児(1~18歳未満)1型糖尿病患者777例(日本人66例を含む)を対象に、26週間試験として実施された。盲検下で「フィアスプ注」またはノボラピッド注を1日3回食前(食事開始前0~2分前)、または非盲検下で同剤を1日3回食後(食事開始後20分)に皮下投与し、投与量は食前もしくは就寝前の自己血糖測定値またはカーボカウントにもとづいて調節した。また、基礎インスリンとしてインスリン デグルデクを1日1回皮下投与した。 主要評価項目であるHbA1cのベースラインから26週の変化量について、同剤の食前投与および食後投与いずれについてもノボラピッド注に対する非劣性が検証された(非劣性マージン:0.4%)。全般的な低血糖、有害事象およびその他の安全性評価項目に群間で明らかな違いは認められなかった。食事の開始時に投与 開始後の投与も選択できる
「フィアスプ注」は、添加剤であるニコチン酸アミドにより皮下投与後初期のインスリン アスパルトの血中への吸収が速く、血糖降下作用の発現がノボラピッド注より速い製剤。 承認審査の結果、「フィアスプ注」は成人、小児患者とも、Basal Bolus療法において、食事開始時に投与する製剤として承認された。また、患者の生活習慣や状態により、必要な場合は食事開始後投与を選択することもできる。 さらに、同剤100単位/mL(バイアル製剤)は、ポータブルインスリン用輸液ポンプを用いた投与や静脈内注射を行うこともできる。 「フィアスプ注はノボラピッド注より速い血糖降下作用のため、患者さんのライフスタイルや状態に応じて、投与タイミングを従来より柔軟に選択いただけます」と、同社では述べている。 なお、同剤は米国では2017年9月、欧州では2017年1月にそれぞれ承認を取得し、2019年6月時点でこれらを含む世界43カ国で承認されている。[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]