SGLT2阻害薬「フォシーガ」 第3相DAPA-HF試験の結果を発表 心血管死と心不全の悪化の発現率が有意に低下

 アストラゼネカは、SGLT2阻害薬「フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)」を、心不全の標準治療への追加治療として使用し、心血管死と心不全悪化の発現率を低下させたという第3相「DAPA-HF」試験の詳細結果を、2019年欧州心臓病学会議(ESC2019)で発表した。
2型糖尿病合併および非合併の左心室駆出率が低下した心不全の患者を対象としたSGLT2阻害剤で最初のアウトカム試験
 「DAPA-HF」試験は、2型糖尿病合併および非合併の、左室駆出率が低下した(LVEF40%以下)心不全患者が、標準治療への追加療法としてフォシーガ10mgを1日1回投与した際の影響を、プラセボとの比較で評価することを目的とした国際多施設共同無作為化二重盲検並行群間比較試験。主要複合評価項目は心不全イベント発症(入院または同等のイベント;すなわち、心不全による緊急受診)までの期間、もしくは心血管死だった。

 同試験で、同剤は心血管死または心不全悪化の主要複合評価項目において26%のリスク低下させ(p<0.0001)、複合評価項目のそれぞれの項目でもリスク低下をさせたことが示された。

 主要評価項目の各項目の解析をみると、心不全悪化の初回発現リスクが30%低下(p<0.0001)、心血管死のリスクが18%低下(p=0.0294)した。主要複合評価項目における同剤の影響は、検討された主要サブグループ全体でおおむね一貫していた。

 また、同試験では、カンザスシティ心筋症質問票(KCCQ)の総合症状スコアもとづき、患者報告アウトカムの有意な改善も確認され、さらに同剤は全死亡率において、名目上有意な17%の低下(100患者・年あたり1イベント換算で患者7.9名対9.5名)を示した。

 同試験における同剤の安全性プロファイルは、同剤の確立された安全性プロファイルと一貫していた。心不全治療において一般的な懸念事項である体液減少の発現率は同剤群とプラセボ群で7.5%対6.8%、腎有害事象の発現率は6.5%対7.2%、重症低血糖の発現率は0.2%対0.2%だった。

 「今回実施した試験で、フォシーガは心不全の症状を改善し、入院率を減らして生存期間を延長するという、心不全治療薬に望むすべての項目を達成した。さらに、糖尿病非合併の心不全患者に対しても、糖尿病合併の心不全患者と同様の結果がみられた」と、グラスゴー大学循環器リサーチセンター循環器・メディカルサイエンス研究所のJohn McMurray氏は述べている。

 同剤については、左室駆出率が保持された心不全(HFpEF)患者を対象としたDELIVER試験およびDETERMINE試験(HFrEFおよびHFpEF)も実施されている。

 なお、日本では同剤は、心血管死や心不全悪化のリスク減少としての適応を取得していない。

フォシーガ錠5mg フォシーガ錠10mg 添付文書
[Terahata]

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