米国のコレステロール管理ガイドラインが改訂 糖尿病治療に「個別化」と「全体的アプローチ」を求める

 米国心臓学会(AHA)の「コレステロール管理ガイドライン」が改訂され、11月にシカゴで開催されたAHA2018で発表された。
40~75歳の2型糖尿病では1次予防としてスタチン治療を推奨
 2018年版「コレステロール管理ガイドライン(Guideline on the Management of Blood Cholesterol)」の改訂ポイントは、▼コレステロール値の管理が難しい高リスク患者に対しては、スタチン系薬に加えてエゼチミブやPCSK9阻害薬などのコレステロール低下薬の併用も考慮すること、▼CTによる動脈硬化の評価など精緻な心疾患リスク評価を行うことなど。

 動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の2次予防の治療アルゴリズムも見直され、主要なASCVDイベントである「過去1年以内の急性冠症候群(ACS)」「心筋梗塞の既往」「虚血性脳卒中の既往」「症候性末梢動脈疾患」が複数認められる場合などには、最大用量のスタチン系薬で治療し、それでもLDLコレステロール(LDL-C)が70mg/dL以上であればエゼチミブなどの追加も考慮することが付け加えられた。

 年齢40~75歳の2型糖尿病では、ASCVDの1次予防として、まず中強度スタチンを推奨し、リスク評価によってスタチン治療の強化を考慮することを推奨している。

 また、家族歴、慢性腎臓病、メタボリックシンドロームなどを、動脈硬化のリスクを増強する因子として定め、食事や運動、血圧、コレステロールなどが互いに関連し合うことを指摘。糖尿病の管理に「全体的アプローチ(holistic approach)」が必要としている。

 医師には、コレステロール値の上昇がもたらすリスク因子について患者とよく話し合い、その患者のリスクに応じた個別治療を行うことを求めている。従来の喫煙習慣、高血圧、HbA1cなどに加え、家族歴、メタボリックシンドローム、慢性腎臓病、慢性的な炎症性疾患、早期閉経、妊娠高血圧症候群などについても確認し、個別治療につなげることを推奨している。

2018 AHA/ACC/AACVPR/AAPA/ABC/ACPM/ADA/AGS/APhA/ASPC/NLA/PCNA Guideline on the Management of Blood Cholesterol: Executive Summary(AHA 2018年11月10日)
2018 ACC/AHA Multisociety Guideline on the Management of Blood Cholesterol(American College of Cardiology 2018年11月10日)
Guideline on the Management of Blood Cholesterol(American College of Cardiology)
[Terahata]

関連ニュース

2019年02月15日
AIで糖尿病の経口血糖降下薬の処方を最適化 どの薬が最適かをAIが提示 札幌医科大学ら
2019年02月15日
高血圧症治療剤のアムバロ配合錠「ファイザー」の自主回収(クラスI)を開始 ファイザー
2019年02月15日
肥満を制御する酵素を発見 L-PGDSが肥満やインスリン抵抗性を進展 東大
2019年02月15日
脂肪細胞のインスリンシグナルを調節し、2型糖尿病やメタボの発症を予防する新規分子を発見
2019年02月14日
糖尿病患者の仕事と治療の両立を支援 スマホのオンラインサービスを利用 中部ろうさい病院と共同で実施
2019年02月14日
1型糖尿病患者の多くはHbA1c目標値に達していない 米調査
2019年02月08日
糖尿病治療薬の薬剤料 2017年度は4,271億円に増加 SGLT-2阻害薬、GLP-1受容体作動薬の処方が増える
2019年02月08日
日本人集団の2型糖尿病に関わる新たな遺伝子領域を発見 日本人20万人規模のゲノムワイド解析を実施 東大、理研など
2019年02月08日
後期高齢者の6割が3疾患以上の慢性疾患を併存 75歳以上の後期高齢者約131万人分のレセプト情報を分析
2019年02月08日
「HbA1c」を直接に酸化できる酵素を創製 シンプルで短時間の測定が可能に

関連コンテンツ

編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
ページのトップへ戻る トップページへ ▶