「グルコース応答性インスリン」の開発を促進 グルコース結合分子プラットフォーム技術を使用

 ノボ ノルディスクがZiylo社を段階的に買収し、同社の開発初期段階のグルコース結合分子に関する権利を全面取得した。Ziylo社から独立した研究開発子会社Carbometrics社が、ノボ ノルディスクと共同でグルコース結合分子の最適化研究に取り組む。
グルコース結合分子(GBM)を開発したZiylo社を買収
 英国Ziylo社とノボ ノルディスクは、ノボ ノルディスクがZiylo社の全株式を取得したことを発表した。Ziylo社は英国ブリストル大学から独立した会社で、研究開発支援施設Unit DX内に本部を置いている。同社は自社のプラットフォーム技術である合成グルコース結合分子をいち早く治療・診断に応用した。

 これにより、ノボ ノルディスクは、Ziylo社のグルコース結合分子プラットフォーム技術を使用してグルコース応答性インスリンを開発する権利を全面取得した。

 Ziylo社は、第3の「バイオミメティック(生体模倣)」クラスのグルコース結合分子(GBM)を開発した超分子化学会社。グルコース結合分子は、持続血糖測定器(CGM)などの医療機器やグルコース応答性インスリン(GRI)などの治療法を支える重要な要素になる可能性がある。
グルコース応答性インスリンの実現に向けて前進
 グルコース応答性インスリンは低血糖リスクの解消・軽減に役立つ可能性を秘めている。低血糖はインスリン治療に伴う最も代表的なリスクであり、最適な血糖コントロールを妨げる要因だが、グルコース応答性インスリンによって代謝コントロールを改善できる可能性があり、糖尿病患者の負担軽減に役立つことが期待されている。

 Ziylo社が開発したグルコース結合分子は「合成分子」と呼ばれるもので、英国ブリストル大学のアンソニーデイビス教授が設計した。安定した性質を持つ合成分子で、血液中などの複雑な環境下で、グルコースに対して前例のない優れた選択性を示す。

 買収合意前の時点で、Ziylo社はCarbometrics社という新会社を設立しており、研究開発活動の一部をこの会社に振り分けていた。Carbometrics社はノボ ノルディスクと共同研究を締結し、グルコース応答性インスリンへの使用を目的としてグルコース結合分子の最適化に継続的に取り組むことで合意した。

 Carbometrics社は、主に持続血糖測定への応用を目的として、グルコース結合分子を非治療用途に開発する実施権(ライセンス)を取得している。

[Terahata]
編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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