「糖尿病自己管理教育」(DSME)を高める環境整備が必要 ADA2016

2016年6月17日 

 「糖尿病ケアで特に求められているのは、患者が"糖尿病自己管理教育"(DSME)にアクセスしやすくするための環境整備だ」と、ADAの糖尿病療養・教育部門部長であるMargaret Powers氏(パーク ニコレット医療センター国際糖尿病センター)は指摘している。
 「米国糖尿病有病者数は3,000万人に及び、米国の医療費の3分の1が糖尿病関連に費やされている。糖尿病と診断された患者が1年以内に「糖尿病自己管理教育」(DSME:diabetes self-management education)の適切な指導を受けている割合は7%未満だ。患者の日常生活での注意喚起にはタイミングや技術が必要だが、現状は適切に対処できる医師や療養指導士が不足している。DSMEの心理・社会的価値を高めるための評価システムを全国に整備する必要がある」と提唱している。

 Powers氏らの研究によると、DSMEの適切な指導を受けた患者のHbA1c値は1.1~1.3%低下する。「Look AHEAD」研究では、糖尿病と診断されて間もない患者にDSMEを指導すると体重は8.7%減少し、8年後も4.7%が体重減少を持続していることが示された。3万3,000人以上を対象とした後ろ向き研究では、DSMEによって糖尿病の医療は39%減らせるという結果を得た。

 DSMEが特に効果的な4つのタイミングは「診断の直後、1年に1度、合併症を発症したとき、治療内容が大きく変化したとき」だという。「プライマリケアを提供する医療者はこのタイミングを見逃してならない。DSMEの指導を受けた患者の3分の2で生活の質、自己効力感、エンパワーメント、生活習慣の改善といった好ましい変化が起こり、療養生活がもたらす苦痛が減少したという報告がある」と指摘している。
「糖尿病自己管理教育」(DSME)の重要性を説明するMargaret Powers氏
第76回米国糖尿病学会(ADA2016)
編集部注:海外での研究を扱ったニュース記事につきましては、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。

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