GLP-1受容体作動薬「リキスミア」の基礎インスリンへの追加療法 心血管系への安全性も評価

 サノフィは、1日1回投与のGLP-1受容体作動薬「リキスミア」(一般名:リキシセナチド)に関する試験結果2件について発表した。いずれも、ボストンで開催された第75回米国糖尿病学会(ADA)学術集会で発表された。
リキスミアの基礎インスリンへの追加投与は有効
 臨床試験「GetGoal Duo-2試験」では、基礎インスリンにリキシセナチドを1日1回追加投与する療法と、(1)速効型インスリンを1日1回の食後血糖値がもっとも高くなる食事に投与する基礎・追加インスリン療法(Basal-Plus療法)、(2)1日3回毎食後に追加投与する基礎・追加インスリン療法(Basal-Bolus療法)が比較された。

 リキシセナチドは、血糖値(HbA1c値)の低下では、対照となった(1)と(2)のインスリン療法に対して非劣性を示し、体重の変化ではBasal-Bolus療法に対して優位性を示した。

 同試験では、リキシセナチド投与群での低血糖症の件数が、速効型インスリン1日1回投与群と比較して少なく、速効型インスリン1日3回投与群との比較では有意に少ないことも明らかになった。

 リキシセナチドのHbA1c低下の平均値の差[95% CI]は、Basal-Plus群に対して-0.05%[-0.17~0.06]、Basal-Bolus群に対して0.21%[0.10~0.33]だった。また、体重変化の平均値[95% CI]は、Basal-Bolus療法に対して-2.0kg[-2.6~-1.4kg]だった。

 さらに、朝食前にリキシセナチドまたはインスリン グルリジンを投与した患者の食後血糖値(PPG)を測定したところ、リキシセナチドでは両対照インスリン グルリジン療法と比べPPGが有意に低下した。平均値の差[95% CI]は、Basal-Plus群に対して-37mg/dL[-59~-15mg/dL]、Basal-Bolus群に対し-40md/dL[-61~-19mg/dL]だった。

 同社では「基礎インスリン療法に続く治療法として、効果の向上やさらなる改善を期待できる治療法が、速効型インスリン注射以外にも求められており、今回の試験では、リキシセナチドの基礎インスリンへの追加投与が有効であると同時に、速効型インスリンを超えるベネフィットをもたらすことが示された」としている。

リキスミアの心血管系への安全性を評価
 2件目は、リキシセナチドの心血管系安全性を評価した後期第3b相の「ELIXA試験」の全結果。同試験は、心血管リスクの評価を目的として設計された無作為化二重盲検並行群間比較試験で、心血管イベントの高リスク群である2型糖尿病の成人患者においてリキシセナチドとプラセボを比較したもの。

 リキシセナチドは心疾患(CV)死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、不安定狭心症による入院といった主要複合エンドポイントに関して、プラセボに対する優越性を示すには至らなかったものの、あらかじめ設定された非劣性基準を満たすという結果が得られた。

 同試験には、6,000人以上の高心血管リスクを伴う2型糖尿病成人患者(急性冠症候群を最近発症した患者)が参加した。

 主要有害心イベント(MACE)に関するハザード比[95% CI]は1.02[0.887~1.172]で、心不全のリスク増加を示す兆候も認められなかった(ハザード比[95% CI]は0.96[0.75~1.23])。

 さらに、心不全、膵炎、膵臓がん、重度の症候性低血糖症のリスク増加を示す兆候は認められず、リキシセナチドの安全性と忍容性はおおむね良好だった。ただし、GLP-1受容体作動薬の副作用として一般的にみられる吐き気と嘔吐が、リキシセナチド投与群でより多く認められた。

 試験の全結果は、2015年第3四半期に米国食品医薬品局に再提出されるリキシセナチドの米国での新薬承認申請に含まれる予定。

サノフィ
リキスミア(サノフィ e-MR)

[Terahata]
編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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