フェノフィブラート「糖尿病網膜症の進行抑制」の適応承認 豪州で

 高脂血症治療薬「リピディル」(一般名:フェノフィブラート)の「糖尿病網膜症の進行抑制」の適応がオーストラリアで承認された。2型糖尿病患者において、フェノフィブラートが糖尿病網膜症による光凝固療法(レーザー治療)の必要性を低減させることが、シドニー大学などの研究で明らかになっている。

 オーストラリア保健省医薬品行政局(TGA)は、早期の糖尿病網膜症がある2型糖尿病患者に対し、高脂血症治療薬「リピディル」(一般名:フェノフィブラート)の「糖尿病網膜症の進行抑制」の適応を承認した。

 フェノフィブラートは、中性脂肪(トリグリセライド)の低下作用、HDLコレステロールの上昇作用とともに、総コレステロール、LDLコレステロールの低下作用をもち、総合的に脂質代謝を改善するフィブラート系薬剤。オーストラリアでは10年の使用実績がある。

 今回の承認は、フェノフィブラート投与の効果を検討した2件の試験(「FIELD」と「ACCORD Eye」)の成果を受けたものだ。

 2型糖尿病患者9,795例を対象とした無作為割付比較試験「FIELD」では、フェノフィブラート群で光凝固療法の実施が有意に減少していたが、さらに光凝固療法の新規導入を31%、増殖網膜症を30%、光凝固療法の総回数を37%、それぞれ有意に減少させ、フェノフィブラートが2型糖尿病患者において、糖尿病網膜症の進行抑制効果を有することが示された(Lancet. 2007; 370: 1687-1697)。

 また、スタチン(シンバスタチン)治療を対照に、これにフェノフィブラートを追加投与した際の効果を検証した「ACCORD Eye」試験は、2型糖尿病患者2,856例を対象に行われた。フェノフィブラート追加投与群では、シンバスタチン群と比較して、糖尿病網膜症の進行が40%有意に抑制されており、NNTも27と有効性が確認された(N Engl J Med. 2010; 363: 233-244)。

 「フェノフィブラートは本来、脂質をコントロールする薬剤だが、2型糖尿病患者が服用した場合でも、心血管障害だけでなく細小血管に対しても恩恵をもたらすことが示唆された。レーザー治療を要する糖尿病網膜症に対するフェノフィブラートのこのようなはっきりとしたベネフィットは、2型糖尿病における厳密な血糖管理や血圧管理による便益に匹敵する。糖尿病網膜症においては光凝固療法を導入する前の早い段階でフェノフィブラートを導入することが望ましい」と、研究者は述べている。

大規模臨床試験「FIELD」オフィシャルサイト
オーストラリア保健省医薬品行政局(TGA)

[Terahata]

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編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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