2型糖尿病の「隠れ肥満」はインピーダンス法で簡単に判定できる CTによる内臓脂肪面積の測定と高い相関 国立循環器病研究センター

 国立循環器病研究センターは、2型糖尿病患者の「隠れ肥満症」は、インピーダンス法で簡便に判定でき、高血圧・脂質異常症の合併と関連しているという研究を発表した。
2型糖尿病患者98人を対象に腹部CTとインピーダンス法で内臓脂肪を測定
 研究は、国立循環器病研究センター糖尿病・脂質代謝内科の大畑洋子医師、孫徹医長、細田公則部長らの研究チームによるもの。研究成果は「Cardiovascular Diabetology」電子版に掲載された。

 外見から肥満だと分からない場合でも、腹腔内に脂肪が蓄積する内臓脂肪型肥満は、「隠れ肥満症」とも呼ばれている。内臓脂肪の蓄積は、体脂肪の蓄積に比べ、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患関連していることが報告されており、改善すべき病態となっている。

 これまで隠れ肥満症の判定は、腹部CTを用いて、へその位置で内臓脂肪面積を測定することが必要だった。一方、近年開発された簡便な内臓脂肪測定機器を使えば、インピーダンス法により簡単に計測できる。

 インピーダンス法は、体内に微弱な電流を流して電気抵抗を測定し、脂肪の割合を算定する方法で、医療用の内臓脂肪計も販売されている。

 しかし、この検査法は微量な電流を使用するため、体に余分な水分が溜まっているような状態(心不全や、腹水貯留、むくみなど)では正確に測ることができない。また、動脈硬化性疾患を起こしやすい2型糖尿病患者でも、内臓脂肪型肥満の有無を調べることは重要だが、同機器を用いて調べられるかどうかは分かっていない。
CTとインピーダンス法による内臓脂肪測定は高い相関関係がある
 そこで、研究チームは、2011年10月~2012年9月までに糖尿病脂質代謝内科に入院し、腹部CTとインピーダンス法で内臓脂肪測定を行った患者98人(男性73人、女性25人)について解析した。

 CTとインピーダンス法による内臓脂肪面積の関連を検討した結果、体の余分な水分の貯留が疑われるBNP100pg/mL以上の患者では、CTに比べてインピーダンス法での内臓脂肪が低値だった。

 水分の貯留がインピーダンス法に影響を及ぼしている可能性が考えられたため、そうした患者を除いたうえで、CTとインピーダンス法による内臓脂肪面積の関係を解析したところ、高い相関関係があり、両者は同様に内臓脂肪面積を測定できた。
 次に、高血圧・脂質異常症の合併との関連をみたところ、この2つの方法による内臓脂肪面積は、同じように高血圧と脂質異常症の合併と関連していたことが明らかになった。
 これらの結果から、2型糖尿病患者において、インピーダンス法はCTと同様に内臓脂肪蓄積型の肥満の有無を調べられることが示された。研究チームは、インピーダンス法によって測定した内臓脂肪面積が、将来の動脈硬化性疾患の発症を予想できるかどうか、検討を続けていくとしている。

 また、「隠れ肥満をコントロールすることで、その後の脳梗塞や心筋梗塞などの病気の発症がどの程度予防できるか、新たな知見につながると考えられる」と述べている。

国立循環器病研究センター糖尿病・脂質代謝内科
Efficacy of visceral fat estimation by dual bioelectrical impedance analysis in detecting cardiovascular risk factors in patients with type 2 diabetes(Cardiovascular Diabetology 2019年10月22日)
[Terahata]

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