SGLT2阻害薬「フォシーガ」 1型糖尿病に対する効能・効果の追加承認を日本で取得
2019.03.28
アストラゼネカと小野薬品工業は、SGLT2阻害薬「フォシーガ錠5mg、10mg(一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)」について、1型糖尿病の効能・効果および用法・用量の承認を取得したと発表した。
国内2剤目のインスリンと併用可能なSGLT2阻害薬
フォシーガは、腎尿細管でのグルコース再吸収を抑制するSGLT2に対する選択的かつ可逆的な阻害薬であり、血液中の過剰なグルコースを尿中に排出することで血糖値を低下させる薬剤。インスリンを介さずに空腹時血糖および食後の高血糖を改善する。経口1日1回投与で単剤療法または併用療法の一環として使用される。 一方、1型糖尿病は、主には自己免疫反応によってインスリンを生成する膵臓内の膵島β細胞が壊されてしまうことで発症する。日本では「インスリン分泌が枯渇した1型糖尿病」患者の数は10~14万人と推定されている。 HbA1c値の目標値は7.0%未満とされているが、1型糖尿病患者における平均HbA1c値は7.8%と高い傾向にある(糖尿病データマネージメント研究会調査)。このため、インスリン治療と併用可能な治療薬の開発が期待されていた。 今回の承認は、第3相臨床開発プログラム「DEPICT(Dapagliflozin Evaluation in Patients with Inadequately Controlled Type 1 Diabetes)」、および別途実施された国内第3相長期安全性試験(D1695C00001試験)の結果にもとづくもの。 「DEPICT」は、DEPICT-1およびDEPICT-2の2つの臨床試験で構成されており、インスリン治療で血糖コントロールが不十分の1型糖尿病患者を対象に、フォシーガ5mgまたは10mgが血糖コントロールに及ぼす影響を評価した24週間の無作為化二重盲検並行群間試験。全症例が24週時およびその後28週間延長時(合計52週時)で評価された。 両試験では、血糖コントロールが不十分な1型糖尿病患者に、用量調整可能なインスリン療法への経口投与の補助治療としてフォシーガを投与した。その結果、フォシーガ5mgおよび10mgいずれの用量も平均HbA1c値(主要評価項目)がベースラインから低下し、また24週の時点での体重とインスリンの1日総投与量(副次評価項目)が減少した。 1型糖尿病試験におけるフォシーガの安全性プロファイルは、糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)がプラセボ群と比較してフォシーガ群でより多く確認されたことを除いては、2型糖尿病試験で確立されたプロファイルと一貫していた。糖尿病性ケトアシドーシスは、2型糖尿病患者よりも1型糖尿病患者でより多く発現する合併症として知られる。 フォシーガは、日本以外では欧州で2019年に、成人1型糖尿病患者のインスリン治療への経口の補助治療として承認された。米国では同適応で審査中で、結果は2019年後半に発表されると予想されている。 フォシーガ錠の製品概要(下線部は今回の承認による追加記載)製品名 | フォシーガ錠 5mg、フォシーガ錠 10mg |
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一般名 | ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物 |
効能・効果 | 2型糖尿病、1型糖尿病 |
用法・用量 |
2型糖尿病 通常、成人にはダパグリフロジンとして5mgを1日1回経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら10mg1日1回に増量することができる。 1型糖尿病 インスリン製剤との併用において、通常、成人にはダパグリフロジンとして5mgを1日1回経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら10mg1日1回に増量することができる。 |
2019年3月26日 | |
製造販売元 | アストラゼネカ株式会社 |
販売 | 小野薬品工業株式会社 |
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