「過食性障害」(BED)患者を対象とした第3相試験で良好な結果 ドパミン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤「dasotraline」

 大日本住友製薬の米国子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・インクは、米国で開発中のドパミン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(DNRI)「dasotraline」について、18~55歳の中等症から重症の「過食性障害」(BED)患者を対象とした2本目のピボタル試験である第3相試験で、良好な結果を得たと発表した。
過食エピソードが特徴の過食性障害(BED)
 「dasotraline」は、新規のドパミン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(DNRI)。24時間間隔の投与で安定した血中濃度推移が得られ、それにともない持続的な治療効果をもたらす。現在、米国で成人および小児における注意欠如・多動症(ADHD)ならびに成人の過食性障害(BED)を対象に開発中。

 「過食性障害」(BED)の特徴は、3ヵ月間にわたり週に1回以上生じ反復する過食エピソードで、2013年に米国精神医学会の「精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)第5版」で正式に疾患として認められた。

 過食エピソードは、他とはっきり区別される時間帯に異常に大量の食物を摂取すること、およびそのエ ピソードの間は食べたいという欲求をコントロールできないことと定義されている。

 過食エピソードは、苦痛を感じ、また(1)通常よりもとても早く食べる、(2)苦しいくらい満腹になるまで食べる、(3)身体的に空腹を感じていないにもかかわらず大量の食物を食べる、(4)自分が大量に食べていることに羞恥心を感じるため1人で食べる、(5)後になって、自己嫌悪、罪責感または抑うつ気分を感じる、のうち少なくとも3つに該当する特徴がある。

 米国における成人男女のBEDの生涯有病率は、それぞれ2.1%、3.6%。BEDは、通常、青年期または若年成人期に生じるが、それ以降に生じることもある。BEDは、社会的孤立、自己嫌悪、仕事上の問題、病状(胃食道逆流症、関節障害、心臓病、2型糖尿病、睡 眠時の呼吸障害)のような精神的、身体的な多くの問題を引き起こす。また、これらの疾患による医療施設の利用、罹患率および死亡率を増加させる。
成人の過食性障害に対する新しい治療選択肢に
 同試験の主要評価項目は、投与12週間後における過食日数のベースラインからの変化量であり、過食日数は過食エピソードが1回でも生じた週あたりの日数と定義した。「dasotraline」6mg/日投与群は、プラ セボ投与群と比較し、主要評価項目において統計学的に有意な改善を示した。なお、同剤4mg/日投与群では有意な改善は示されなかった。

 また、BEDの臨床全般印象評価尺度-重症度(BE-CGI-S)スコアおよび「Y-BOCS-BE」合計スコアの評価において、本剤4mg/日および6mg/日投与群は、プラセボ投与群と比較して統計学的に有意な改善が示された。

 同剤の両用量投与群は、概して良好な忍容性を示し、有害事象による治験中止率は、1.2%(プラセボ投与群)、8.6%(4mg/日投与群)、14.1%(6mg/日投与群)だった。主な有害事象(10%以上)は、不眠、口渇、頭痛、食欲減退、悪心および不安であり、これまでに実施された同剤の臨床試験結果と一致していた。

 「過食性障害は、苦痛や抑うつから、心疾患、2型糖尿病などの慢性疾患に至るまで、患者さんにとって重大な問題を伴います。これまでの同剤の臨床試験結果は、同剤が成人のBEDに対する重要な新しい治療選択肢となる可能性があることを示しており、過食性障害の患者さんにとって朗報となります」と、リンドナー センター オブ ホープのChief Research Officerでありシンシナティ大学医学部精神医学・行動神経学教授のスーサン L マクロリー氏は述べている。

 「BEDは、米国でもっともよくみられる摂食障害ですが、承認されている治療選択肢は限られています。同剤を漸増漸減投与したSEP360-221試験および固定用量を投与したSEP360-321試験において良好な試験結果が得られたことから、同剤が過食性障害の患者さんに対する重要な新たな治療選択肢となることを期待しています」と、サノビオン社のアントニー・ローベル氏は述べている。

大日本住友製薬
[Terahata]
編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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