「エンパグリフロジン」は血糖管理状態とは独立して心血管死のリスクを減少 EMPA-REG OUTCOME試験

第53回欧州糖尿病学会(EASD)
 「EMPA-REG OUTCOME試験」の新たな事後解析で、SGLT2阻害薬「エンパグリフロジン」(商品名:ジャディアンス)は、試験開始時の血糖管理状態とは独立して、心血管疾患を有する2型糖尿病患者に対し心血管死のリスクを減少させたことが示された。心血管死のリスクの減少は、メトホルミンまたはSU薬などの一般的な糖尿病治療薬にエンパグリフロジンを上乗せした場合においてもみられた。
試験開始時の患者背景としての血糖値管理状態や、メトホルミンまたはSU薬などの一般的な糖尿病治療薬服用の有無に関わらず、心血管死のリスクが減少
 「EMPA-REG OUTCOME試験」は、世界42ヵ国、7,000人以上の心血管疾患の既往歴を有する2型糖尿病の患者を対象とした長期多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験。

 同試験では、標準治療にエンパグリフロジン(10mgまたは25mg、1日1回投与)を上乗せした場合の効果について、標準治療にプラセボを上乗せした場合と比較して評価した。標準治療は、他の糖尿病治療薬および心血管治療薬(血圧やコレステロールの治療薬を含む)だった。主要評価項目は、心血管死、非致死的心筋梗塞または非致死的脳卒中のいずれかの初回発現までの時間と定義された。

 2015年に「New England Journal of Medicine」に発表された論文では、心血管イベントの発症リスクが高い2型糖尿病患者で、標準治療(血糖降下薬や心血管治療薬など)にエンパグリフロジンを上乗せ投与した結果、プラセボ投与群と比較して心血管死のリスクを38%減少させたことが示された。

 今回新たに発表された事後解析では、試験開始時の血糖値別の4治療群(HbA1c値7.0%未満、7.0%以上8.0%未満、8.0%以上9.0%未満および9.0%以上)すべてで、エンパグリフロジン投与群は、プラセボ投与群と比較して、心血管死のリスクが減少したことが示された。

 このリスク減少は、試験に参加した患者集団全体と一貫しており、また、試験薬投与による血糖値の改善(12週目においてHbA1c値が0.5%以上低下と規定)の有無に関わらず一貫して認められた。

 また、メトホルミンまたはSU薬にエンパグリフロジンを上乗せした群と、プラセボに上乗せした群を比較した結果、心血管死のリスクの減少は試験の患者集団全体と一貫していた。これらの解析では、EMPA-REG OUTCOME試験で低血糖の有害事象を起こした患者の割合がプラセボ投与群とエンパグリフロジン投与群で同程度だったことも示された。

 「今回のEMPA-REG OUTCOME試験の新たな事後解析では、試験開始時の血糖値および一般的な糖尿病治療薬にエンパグリフロジンを上乗せしたかどうかに関わらず、エンパグリフロジンは心血管疾患を有する2型糖尿病患者の心血管死のリスクを減少させたことが分かった。2型糖尿病患者の心血管死のリスクを減少させる新たな試験結果が提供された」と、イェール大学医学大学院内分泌科シルビオ インズッチ教授は述べている。

 この結果はベーリンガーインゲルハイムとイーライリリー・アンド・カンパニーにより、第53回欧州糖尿病学会(EASD)年次総会で発表された。

Does baseline HbA1c or change in HbA1c predict the reduction in cardiovascular (CV) death with empagliflozin? Results from EMPA-REG OUTCOME(第53回欧州糖尿病学会(EASD)年次総会)
Does baseline HbA1c or change in HbA1c predict the reduction in cardiovascular (CV) death with empagliflozin? Results from EMPA-REG OUTCOME(第53回欧州糖尿病学会(EASD)年次総会)
EMPA-REG OUTCOME: consistent reduction in risk of cardiovascular (CV) outcomes and mortality with empagliflozin (EMPA) irrespective of sulphonylurea (SU) use at baseline(第53回欧州糖尿病学会(EASD)年次総会)
[Terahata]

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編集部注:
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