長時間作用型のGLP-1受容体作動薬、特徴と服薬指導のポイント

2016年10月21日 

「糖尿病情報スクランブル」の連載「糖尿病治療薬の特徴と服薬指導のポイント」を更新しました。今回はGLP-1受容体作動薬の「長時間作用型」製剤について、加藤光敏先生(加藤内科クリニック院長)に解説していただきます。
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第24回 GLP-1受容体作動薬(2)(本文より)
はじめに

 GLP-1受容体作動薬は、食物胃排出遅延、中枢性食欲抑制等による血糖改善および減量効果が期待されています。これは注射薬ですが、他にもインスリン、骨粗鬆症治療薬、脂質異常症治療薬(PCSK9阻害薬)等、注射製剤はより一般化しています。今回はGLP-1受容体作動薬のうち長時間作用型(Long Acting)を取り上げます。

長時間作用型GLP-1受容体作動薬

 長時間作用型は現在以下の3製剤が臨床応用されています。

 「ビクトーザ?」(リラグルチド)はノボノルディスク社が開発した1日1回製剤ですが、ある程度持続性があります。注射量を0.3,0.6, 0.9mgと段階的に増やすので、当院でも副作用を訴える症例はほとんどない製剤です。体重抑制はエキセナチド(バイエッタ?1日2回製剤)に比較して弱い傾向ですが、罹病期間の短い症例でのHbA1c改善効果は良好です。世界では1.8mg/日まで使用され0.6, 1.2, 1.8mgと増量しますが、日本のみ最高用量は0.9mg/日なので物足りなく感じる例があり、経口血糖降下薬との併用強化やインスリン併用が選択肢です。

 「ビデュリオン?」(エキセナチド)はアストラゼネカ社の週1回製剤で、エキセナチドが「マイクロスフェア」という合成高分子微粒子に包埋されたものです。これは直径0.06mm、髪の毛の断面ほどの球体で、水と二酸化炭素に分解されながら1週間以上の長期にわたり薬物を放出します。注射後の皮下硬結例も散見されますが、2~3週間で消失していきます。対策として当院では腹部を6分割して注射部位を毎週ずらす指導をしています。

 ビデュリオンは十分な混和が重要ですが、発売当初のキットは複雑で、組み立てて十分混和できる患者は限られていました。しかし現在の「ビデュリオンペン?」はこの点も改良され、注射指導は以前より容易になりました。もっともマイクロスフェアを壊さないように、注射針は23Gで、これ以上細くできない難点はなお残っていますが、食欲抑制効果は捨てがたいものがあり、当院患者から根強い支持を得ています。

 「トルリシティアテオス?」(デュラグルチド)は同じく長時間作用型で、IgG4抗体のFc領域にGLP-1アナログを2分子結合させ半減期を延長した製剤です。イーライリリー社が製造し、大日本住友製薬と併売している週1回製剤ですが、デバイス「アテオス」は名前の通り「キャップを外し皮膚に当てて押す」だけの簡単なものです。これはデバイスにバネがセットされ注入が容易になっている点が優れています。週1回製剤としては、後で発売されましたが、容易さから当院での使用率は伸びています。

続きはこちら...第24回 GLP-1受容体作動薬(2)

 「糖尿病治療薬の特徴と服薬指導のポイント」では、日本糖尿病学会認定専門医であり、同学会の認定指導医でもある、加藤内科クリニック院長の加藤光敏先生に、ご自身の知識と経験を踏まえた服薬指導のポイントを、わかりやすく解説していただきます。

糖尿病治療薬の特徴と服薬指導のポイント/執筆者プロフィール

(dm-rg.net)

日本医療・健康情報研究所

編集部注:海外での研究を扱ったニュース記事につきましては、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。

関連情報

※2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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