食品交換表はこうしてできた

  • 後藤 由夫 (東北大学名誉教授、東北厚生年金病院名誉院長)
2014.09.03
prev next

1. 食事療法の理解が一番重要なのだが、すぐ忘れる

 ペンシルベニア大学の研究室で実験をする傍ら、内科のセミナーを聞き糖尿病クリニックを見学した。日本では糖尿病の人は月に一度の来院で、はじめて糖尿病とわかった場合は入院して治療し、状態が落着いてから退院させていたが、米国では3カ月毎の受診でインスリン療法も外来で指導していた。当時の日本では1~3カ月は入院していた。食事療法は入院中に出る食事をよく覚えて、退院してからも自宅でそれを続けるように話した。熱心な患者さんたちは毎食の献立をノートに書いていた。しかし、中には売店から食べ物を買って食べる患者さんがいて、主治医は金をもっていなければ食べないだろうと財布を預かったら、つけにして食べていたという笑い話のようなこともあった。よくなって退院しても、1、2カ月後に血糖検査に来院した時の結果は、よい状態が続いているのは少数で、大部分はまた高血糖状態となっていた。退院祝いで、医者の言ったことは病院の門を出たとたんに忘れてしまう人もいた。このような状況で糖尿病の治療には「食事療法をよく理解させ、それを実行する意志を強くすることがもっとも重要」と思っていた。

図1 ADA の医師向けガイドブック

1956年,16.3×12.6cm,95頁

続きは無料の会員登録後にお読みいただけます。

  • ・糖尿病診療・療養指導に役立つ会員向けコンテンツ
  • ・メールマガジン週1回配信 最新ニュースやイベント・学会情報をもれなくキャッチアップ
  • ・糖尿病の治療に関するアンケートに参加可能、回答はメルマガやウェブで公開
=必須項目
半角英数記号8文字以上
当サイト利用規約

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

SGLT2阻害薬を高齢者でどう使うか 週1回注射のインスリン製剤がもたらす変革 高齢1型糖尿病の治療 糖尿病治療と認知症予防
糖尿病スティグマとアドボカシー活動 糖尿病性腎症患者に対する療養支援 持続可能な糖尿病運動療法 苦労しています、服薬指導-短時間で患者の心を掴み、リスク回避! 進化する1型糖尿病診療 多職種連携による肥満治療
糖尿病と歯周病の最新エビデンス 甲状腺結節の日常臨床での取り扱い 肥満の外科治療-減量・代謝改善手術の最新エビデンス- 骨粗鬆症 脂質異常症 コレステロール低下薬 がんと糖尿病
インスリンの種類と使い方 糖尿病関連デジタルデバイスのエビデンスと使い方 糖尿病薬を処方する時に最低限注意するポイント[経口薬] インスリンポンプ・持続血糖測定器 血糖推移をみる際のポイント
糖代謝の調節機構 脂質の代謝 リン酸化によるシグナル伝達 タンパク質とアミノ酸の代謝

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新特集記事

よく読まれている記事

関連情報・資料