週1回投与のインスリンアナログ「insulin icodec」の第2相試験の結果 2型糖尿病患者に有効で忍容性も良好 EASD2020で発表

 ノボ ノルディスクは、週1回投与の治験用基礎インスリンアナログである「insulin icodec」の3件の第2相臨床試験の結果を発表した。これは第56回欧州糖尿病学会(EASD)年次会合で公開されたもの。
週1回投与の長時間持続性基礎インスリンアナログ
 「insulin icodec」は、半減期が約1週間の長時間持続性基礎インスリンアナログで、現在は治験段階にある。注入すると、アルブミンに強く、しかし可逆的に結合するため、活性icodecの持続的で緩慢で安定した放出が1週間にわたり血糖の低下をもたらす。週1回の「insulin icodec」の注入量は、濃縮製法のため1日1回のインスリングラルギンU100に匹敵する。

 第1の試験では、他の基礎インスリンから「insulin icodec」への2種の異なるアプローチを利用した切り替えは、1日1回投与のインスリングラルギンU100と比べて有効で忍容性が良好であり、切り替えアプローチは1日1回投与のインスリングラルギンU100と比べて臨床的に意味がある、または重大な低血糖のリスクが増えないことぎ示された。

 この16週間の第2相臨床試験は、経口抗糖尿病薬と1日1~2回の基礎インスリンを投与されている十分にコントロールされていない2型糖尿病の成人患者154人を対象に、週1回の「insulin icodec」の負荷用量ありと負荷用量なしの投与、およびインスリングラルギンU100の投与の3群に無作為分類して実施された。

 主要評価項目は第15、16週の血糖値70~180mg/dLの「範囲内の時間(time in range)」であり、負荷用量の「insulin icodec」投与群はインスリングラルギンU100投与群に比べて「範囲内の時間」が多かった(73%対65%)。負荷用量なしの「insulin icodec」投与群はインスリングラルギンU100投与群とほぼ同じ「範囲内の時間」だった(66%対65%)。

 「2型糖尿病患者の多くが簡便さを好むことは分かっている。現在与えられている1日1、2回の基礎インスリン処方より少ない注射回数や便利さを望む患者は多い。この第2相臨床試験はインスリンを必要とする2型糖尿病患者にinsulin icodecが与えられる潜在的利点を示し、今の治療法にともなう日々の負担と複雑さなしの新たな治療選択肢への楽な移行を促進し、低血糖リスクが低い良好な血糖コントロール状態がより長く続く可能性がある」と、臨床試験責任者でカナダ・オンタリオ州のLMC Diabetes & Endocrinologyの内分泌専門医Harpreet Bajaj氏は述べている。

 穂は重要な二次的評価項目は、インスリングラルギンU100に比べて負荷用量の有無にかかわらずicodecで統計的有意差のないHbA1cのベースラインの変化(それぞれ-0.77%、-0.47%、-0.54%)を含む。臨床的に有意な、または重大な低血糖の割合は、負荷用量の「insulin icodec」とインスリングラルギンU100でほぼ同じ(レベル36~54mg/dL未満とレベル3-重症の低血糖の人年当たり発症率は「insulin icodec」投与群で0.78件、インスリングラルギンU100で0.79件)、負荷用量なしの「insulin icodec」では数的に低かった(人年当たり発症率は0.15件)。週1回の「insulin icodec」投与に関連した新たな安全問題は確認されず、この臨床試験で重症例の発症はなかった。

 経口抗糖尿病薬で十分にコントロールされていない2型糖尿病患者に対する週1回の基礎インスリン投与の最適滴定の理解を深めるため、インスリングラルギンU100と異なる「insulin icodec」の滴定アルゴリズムの影響を比べたデータも紹介された。この16週間の臨床試験で調査された「insulin icodec」の週1回投与の3種の滴定アルゴリズムはすべて忍容性が良好で有効なことが明らかになり、1日1回のインスリングラルギンU100投与と比べて適用された滴定アルゴリズム次第でより優れた、あるいは同様の「範囲内の時間」を示した。

 インスリン未投与の2型糖尿病の成人に対する26週間の第2相臨床試験で「insulin icodec」が1日1回のインスリングラルギンU100と比べて血糖値低下と同様の安全性プロフィールを示した結果も、EASD年次会合で紹介され、同時に「ニューイングランド ジャーナル オブ メディシン」に掲載された。このデータは先に、2020年6月7日の第80回米国糖尿病学会(ADA)科学会議で公表された。

 第2相臨床試験は週1回の「insulin icodec」投与の第3相臨床開発の試験計画を告げるもので、ノボ ノルディスクはこれを2020年内に開始するとしている。

Phase 2 once-weekly insulin(Novo Nordisk)
Once-Weekly Insulin for Type 2 Diabetes without Previous Insulin Treatment(New England Journal of Medicine 2020年9月22日)
[Terahata]

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  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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