【新型コロナウイルス】抗ウイルス薬「レムデシビル」の第3相試験を日本でも開始 中等度・重度のCOVID-19患者に投与

2020.04.16
 ギリアド・サイエンシズは、中等度・重度のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)患者を対象に「レムデシビル」の安全性と有効性を評価する、2件の国際共同無作為化第3相臨床試験からなる試験プログラムである「SIMPLE試験」を、日本の複数の医療機関で実施し、4月14日より「レムデシビル」の投与を開始したと発表した。

広範な抗ウイルス活性のある核酸アナログ
COVID-19の治療薬となる可能性

 「レムデシビル」は、マールブルグウイルス、MERSウイルス、SARSウイルスなど、複数種類の新興感染症病原体に対し、in vitroと動物モデルを用いた試験の両方で広範な抗ウイルス活性が認められている、開発中の核酸アナログであり、最近では抗エボラウイルス活性も判明している。

 MERSやSARSの原因となるウイルス病原体もコロナウイルスの一種であり、COVID-19の原因となるSARS-CoV-2ウイルスと構造が類似している。

 このSARS-CoV-2は新型のため、承認薬がなく、COVID-19治療に関連する臨床試験データもほとんどないが、「レムデシビル」のMERSおよびSARSに対する非臨床試験では、限られたデータではあるものの、抗SARS-CoV-2活性の可能性が示された。

 ギリアド・サイエンシズは現在、「レムデシビル」がCOVID-19の治療薬となる可能性を検討しており、開発を早急に進めている。同試験を通じ、「レムデシビル」の安全性と有効性に関する重要なデータが、この数週間のうちに得られる見込みだとしている。「日本での臨床試験を迅速に開始できるようお力添えくださった厚生労働省に感謝を申し上げます」と述べている。

 治験実施施設の1つである、横浜市立市民病院感染症内科の立川夏夫氏は、「COVID-19の治療の確立は感染者の健康回復のみならず、"treatment as prevention(治療による予防)"として、この感染症の蔓延への重要な対策にもなります。今回、臨床試験としてレムデシビルの効果を明確にすることは、COVID-19対策において最も重要な研究の1つであると位置づけられます」と述べている。

 「SIMPLE試験」は、2件の無作為化、非盲検、国際共同第3相臨床試験で構成されるプログラムで、「レムデシビル」の2種類の静脈内投与レジメンの安全性と有効性を評価する。

 第1段階では、COVID-19陽性が確認された感染拡大国の入院患者およそ1,000人を対象とする予定。

 2件の試験のうち、1番目の試験では、重度のCOVID-19症状を呈する患者を対象に、5日間および10日間のレムデシビル静脈内投与レジメンの安全性および有効性を評価する。

 2番目の試験では、中等度のCOVID-19症状を呈する患者を対象に、標準治療に加えて5日間および10日間のレムデシビル静脈内投与レジメンを併用した群の安全性および有効性を、標準治療のみの群と比較して評価する。

 なお、「レムデシビル」は世界のどの国でも認可・承認されておらず、いずれの適応でもその安全性や有効性は確立されていない。

ギリアド・サイエンシズ

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