糖尿病患児のより良い学校環境づくりを支援する教職員向け訪問プログラム「KiDS Project」 日本糖尿病協会とサノフィ

 日本糖尿病協会(理事長:清野裕)とサノフィは、糖尿病患児を受け入れる学校でのより良い環境づくりを目的として、糖尿病の専門医と、糖尿病の"先輩患者"が、学校などの教育機関を訪れ、糖尿病に関する正しい知識や現状を教職員に伝えるプログラム「KiDS Project」を実施している。
糖尿病をもつ子供の学校環境をサポートする訪問プログラム
 現在、日本の学校現場では、「糖尿病患児の受け入れ」について、知識を得る場が少なく、患児の受け入れ経験の有無によって教職員の認知度や理解、対応に大きな差がみられている。

 日本糖尿病協会とサノフィが小・中学校教職員400名を対象に2017年に実施した調査によると、糖尿病患児に対して「適切な対応ができる」と回答したのは全体の15.3%、受け入れ経験がない教職員ではわずか8%にとどまった。

 「KiDS Project」は、こうした教育現場におけるニーズを受けて2018年3月に本格始動したプログラムだ。

 訪問プログラムでは、糖尿病の専門医と、先輩患者が「インスリンメンター」として、糖尿病の正しい知識や、糖尿病の児童や生徒たちが学校で直面している現状について教職員に伝える。これまで11回実施し、全国の幼稚園、小・中学校、大学、教育委員会、学会等から約560名の教職員が参加した。
 同協会と同社は、11月の全国糖尿病週間に向けて、「KiDS Project」の参加者を対象にアンケートを実施した。主な結果は以下の通り――。
1. 参加者の3人に2人が「次回もぜひ参加したい」「参加したい」、本プログラムを「ぜひ薦めたい」「薦めたい」と回答
2. プログラムについて、全体の9割以上が高い満足度
3. 講演の分かりやすさについて、約7割が「満足」と回答
4. プログラムを通じて、糖尿病のイメージがポジティブに変化

<参加者の主な感想>
・「糖尿病を必要以上に怖がることはないと思った。"色々な個性・特性のうちの一つ"という考えに、なるほど、と思った」
・「糖尿病というフィルターを外してその子を理解することの重要性を実感。難しいこと、特別なことは必要ないのだと思った」
・「糖尿病の児童に対し、養護教諭や担任はどう配慮したら良いかということをこれまで考えていたが、子供を見守っていればよく、あれこれ声かけする必要はないということに気づいた」

 同協会の清野裕理事長(関西電力病院 総長)は、「糖尿病の児童・生徒のすこやかな成長には、学校そして教職員の皆さんが重要な役割を果たします。日本糖尿病協会では、先生方が糖尿病患児を受け持つ際に不安をもたれることのないよう、正しい情報の提供など、引き続き支援をしてまいります」と述べている。

 同協会の理事で、「KiDS Project」で講演を行っている内潟安子(東京女子医科大学東医療センター病院長)は、「『糖尿病があっても他のお子さんと同じく』と幼稚園や学校の先生方にお願いしてきましたが、難渋しておられるお声が絶えません。そこで、当協会のチームが現場を訪問し『先生方と直接お話させていただく』プロジェクトを、2年余り前に開始しました。講演終了近くになるにつれ、先生方のお顔が明るくなってこられ、チームは、毎回、楽しい学校生活になるといいなと温かい気持ちになります」と述べている。

 また、「KiDS Project」参加校である秋田市立寺内小学校教頭の長谷川久寿氏は、「専門医とインスリンメンターのお話をお聞きし、1型糖尿病に関する理解が深まり、不安な気持ちが解消されました。また、我々教職員は子供の夢や希望、保護者の思いや願いをしっかりと汲み取り、教育活動を推進していかなくてはならないという思いを、改めて強く持ちました。KiDS Projectのさらなる普及を心から願っています」と述べている。

 同協会と同社は、引き続き「KiDS Project」の参加校の募集を行っていくとしている。

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