アセンシアが「血糖管理ソリューション(IDMS)」を開発中 2型糖尿病患者のHbA1C値を減少

 PHCホールディングスの100%子会社であるアセンシア ダイアベティスケアホールディングスは、6月に開催された第79回米国糖尿病学会(ADA2019)で、同社が開発中の「血糖管理ソリューション(IDMS)」が、使用された期間で、2型糖尿病患者のHbA1Cの数値を有意に減少させたとする臨床研究の結果を発表した。
人による指導とアプリの組み合わせによるアプローチ
HbA1C平均値は12週間で0.43%減少
 アセンシアが開発するIDMSは、成人の糖尿病患者が病状をより効果的に管理するための、追加的なサポートを提供するために開発された。

 これは、糖尿病療養指導士(CDE)による遠隔での行動改善のためのコーチングとモバイルアプリの併用により、2型糖尿病患者をサポートするもの。CDEは患者自身のデータを用いて、患者ごとに個別化したコーチングの方針を作成し、患者それぞれの自己管理を支援する実用的な情報を提供する。

 IDMSにより、CDEは患者に対してコーチングの方針に基づいた課題を提案する。これは、患者が指示内容である行動変容を実現するとともに、自己管理を改善するためのサポートを含んでいる。糖尿病管理に対する包括的なアプローチとして、CDEから患者に電話をかけ、その後も患者のモニタリングを行うことで、患者が血糖値管理、食事内容、活動レベル、ストレス、睡眠を改善できるよう支援する。

 同研究では、糖尿病治療薬の変更によらず、IDMSの使用と2型糖尿病患者のHbA1Cの数値の有意な減少に関連性があることが分かった。これは、IDMSが患者のセルフケアとより適切な血糖管理につながり得ることを示している。

 今回の臨床研究は12週間にわたる一群のみのパイロット研究として、企画されたものだ。臨床研究に参加した患者は58名、いずれもそれまでは血糖管理が適切に実施できていなかった患者だった。定期的な血糖値測定にはアセンシアが提供するワイヤレス対応の血糖値測定システム「CONTOUR NEXT ONE」が使用された。

 主要評価項目であるHbA1Cの平均値は、IDMSを使い始めた当初の8.44%から、12週間後の8.01%へと、0.43%有意に減少した。このデータは、IDMSの使用が臨床的に有意義な結果をもたらすことをはじめて示すもので、2型糖尿病の管理におけるIDMSの有用性の可能性について示唆するものだ。

 研究は、ワシントン州レントンのRainier Clinical Research CenterのLeslie J Klaff氏によって、第79回米国糖尿病学会(ADA2019)で発表された。なお、IDMSは現時点では、米国における臨床研究に限定して使用されている。

 「人による指導とアプリの組み合わせによる相互作用は、糖尿病管理ソリューションにおける画期的な進展だ。同研究では、IDMSを使用することにより、患者がCDEとともに、効果的なライフスタイルの改善方法を決定することができた。この決定に基づいて、患者はいかにアプリを有効活用するかを決め、継続してCDEによるコーチングを受けた」と、Klaff氏は述べている。

 「これら2つの要素が、糖尿病患者の些細ではあるものの影響度の大きいライフスタイルを調整させることで、行動と血糖管理の改善を支援するための効果的なツールとなっている。このようなテクノロジーに主眼を置いたアプローチをとることにより、実質的に臨床的なメリットが得られる可能性がある」と、Klaff氏はまとめている。

PHCホールディングス
アセンシア ダイアベティスケア ホールディングス
[Terahata]

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編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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