糖尿病情報スクランブル

糖尿病診療の目

松葉 育郎 先生(松葉医院 院長)

松葉 育郎 先生

糖尿病医療に長年携わってきた専門医は、どのような視点を持って患者さんの情報を整理・把握し、診療に何を目指しているのでしょうか?

このコーナーでは、東京慈恵会医科大学第3内科で研鑽を積み、開業して20年以上を経た松葉医院院長の松葉育郎先生(写真)に、経験から培われた糖尿病治療のポイントと、糖尿病医療のこれからを語っていただきます。

糖尿病診療の目 目次

第5回 特定健診からみた血糖と体重の関係

 血糖と体重の関係を糖尿病ではどうなっているのかをお話する前に、一般的には健康な方ではどうなっているのか考えてみます。そこで、参考にしたいのが、今、日本では40歳以上に毎年、実施を期待されている特定健康診査・特定保健指導(特定健診・保健指導)です。実際に、生活指導で体重を下げると、どのくらい血糖値が動くのかを知ることができます。

第4回 糖尿病と体重

 糖尿病患者さんに求められている4つの管理目標は、血糖、体重、血圧、血清脂質というお話をしてきました。今回は、糖尿病と体重の関係について述べてみたいと考えています。どのように患者さん自身が体重を血糖コントロールの改善に反映し、維持するために取り組んでいけるかを具体的に考えてみます。

第3回 患者さんが血糖変動を理解することの意味
―その重要性と指導法―

 第1回では『糖尿病治療の目指すところは?』と題し、血糖、体重、血圧、血清脂質の良好なコントロール状態の達成と長期的な維持が求められているお話をしました。第2回『求められる血糖コントロール値とは?』では、血糖の管理目標の実臨床(Real World)での到達度をお話いたしました。今回は、皆さんが最も身近に考えている血糖について、患者さん自身がどのように取り組んでいけるかを具体的に考えてみます。

第2回 求められる血糖コントロール値とは?
― HbA1c 7.0%維持の重要性 ―

変動する血糖値

 2型糖尿病の治療において誰もがまず気になるのは、「自分の血糖値をいくつにすれば良いか?」という問いでしょう。ところが、血糖値は食事などで大きく変化しています。そこで、朝起きて食事をする前、いわゆる空腹時血糖値はいくつなのか? 食後の血糖値はどの位高くなるのか? といったところから見ていくことになりますが、食後の血糖値だけでなく空腹時血糖値も一様に高くなっているようなケースもあります。1日の中で変化し、日によっても変化が見られます。血糖値は、他人との比較もなかなか難しい検査値と言えます。患者さんからも、「食事をして、いちばん血糖が高くなるのはいつですか?」「どうして、自分の血糖は上がるのですか?」というような素朴な質問をよくいただきます。

 一方、血糖値の大まかな変動を反映するのが、HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)です。HbA1cは、過去1~2カ月の血糖の平均値を反映する臨床検査値で、病状理解・管理に最も役に立つ「糖尿病コントロール指標」です。空腹時血糖値、食後血糖値とともに知っておかなければいけません。

第1回 糖尿病治療の目指すところは?

来院される方々

糖尿病専門の開業外来で診療に携わっていると、初診で来られる患者さんは、大きくふたつに分けられます。

健康診断で尿糖が見つかり、糖尿病の疑いが指摘されたり、家族が糖尿病で最近、尿量が多くなり、心配だから一度検査をしたいという、初期の糖尿病と考えられる患者さん。

もうひとつは既に糖尿病と診断されて大病院に通院していたが土曜日しか通院できない、転居など個人としての都合で紹介・転院してくる患者さん。そして、なかなか血糖コントロールが良くならない、いくつかの合併症があり、循環器、腎臓専門医、糖尿病専門医へのそれぞれの期待をもち、今より良くしたいという患者さんです。

筆者略歴

松葉 育郎 先生(松葉医院 院長) 松葉医院 ホームページ

まつばいくろう。昭和53年、東京慈恵会医科大学卒業後、同大学院(医学博士)を経てハーゲドーン研究所(デンマーク)研究員、東京慈恵会医科大学第3内科講師、国立東宇都宮病院内科部長、総合川崎臨港病院内科部長を経て、平成3年に松葉医院を川崎市幸区にて開業。聖マリアンナ医科大学 非常勤講師。

資格等

日本糖尿病学会専門医、評議員、日本内科学会認定医、日本糖尿病協会関東支部理事、川崎糖尿病懇話会 幹事、神奈川糖尿病医会 幹事、神奈川県内科医学会幹事、神奈川県内科医学会、糖尿病対策委員会委員長、神奈川県糖尿病ネットワーク委員、神奈川糖尿病療養指導士認定機構(KLCDE)、療養指導委員会委員長、糖尿病データマネジメント研究会臨床研究プロトコール評価委員会 委員