FGMはインスリン非使用の2型糖尿病でも糖尿病コントロールを改善 測定期間の終了後もコントロール改善が持続

 名古屋大学は、インスリンを使用していない2型糖尿病患者を対象としたランダム化比較試験を実施し、フラッシュグルコースモニタリング(FGM)による測定機会を一定期間提供することは、糖尿病コントロールの改善をもたらし、改善効果は測定終了後も持続することを明らかにしたと発表した。
インスリン非使用の2型糖尿病でも、
FGMは糖尿病コントロールをより改善させる
 研究は、名古屋大学大学院医学系研究科糖尿病・内分泌内科学の和田絵梨大学院生、同大医学部附属病院の尾上剛史病院助教、同大医学系研究科の有馬寛教授らの研究グループによるもの。研究成果は、科学誌「BMJ Open Diabetes Research & Care」電子版に掲載された。

 従来の指先穿刺による血糖自己測定器(SMBG)はインスリンなどの注射製剤使用中の1型・2型糖尿病で保険適応となっている。また、インスリンを使用していない2型糖尿病でも糖尿病コントロール改善効果が示されており、糖尿病自己管理のための手段としても有用とされている。

 一方、近年登場したフラッシュグルコースモニタリング(FGM)は、センサーを腕に装着することで組織間質液中のグルコース濃度を持続的に測定する。これは血液中のグルコース濃度(血糖値)に概ね一致しており、FGMを用いることで測定ごとの指先穿刺や消毒を必要とせず、連続的な血糖値の変化を知ることができる。

 これまでに1型糖尿病およびインスリンを使用している2型糖尿病の患者がFGMを使用すると、SMBGの使用に比べ、低血糖の占める時間・頻度がより減少することや、HbA1cが改善することが報告されている。

 FGM使用の効果がインスリン投与量の調整の結果だけではないとしたら、糖尿病患者の大半を占める、インスリンを使用していない2型糖尿病でも、FGMの使用は糖尿病コントロールをより改善させる可能性がある。しかし、これまでその有用性については明らかになっていなかった。
12週間後のHbA1c変化量を改善
測定終了後も糖尿病コントロールの改善が持続
 そこで研究グループは、インスリンを使用していない2型糖尿病におけるFGMの効果を明らかにすることを目的に、一定期間のFGMまたはSMBGによる測定機会の提供が糖尿病コントロールに与える影響を比較するランダム化比較試験を実施した。

 同試験は、名古屋大学医学部附属病院など5医療施設に通院中のインスリン非使用2型糖尿病患者100人(FGM群49人、SMBG群51人)を対象とし、そのうち93人(FGM群48人、SMBG群45人)が研究を最後まで完了した。

 一定期間(12週間)のFGM(FreeStyleリブレ、アボットジャパン合同会社)またはSMBGによる測定機会を提供した。

 その結果、12週間後のHbA1c変化量は、FGM群(-0.43%)、SMBG群(-0.30%)となり、ともに改善が認められた。

 さらに、24週間後のHbA1c変化量は、FGM群(-0.46%)がSMBG群(-0.17%)と比較し有意な改善が認められた(P=0.022)。

 糖尿病治療満足度質問票(DTSQ)のスコアでも、FGM群がSMBG群と比較し有意な上昇が認められ、FGM群でより治療満足度が高かったことが分かった。

 FGM群では平均血糖、血糖変動指標、目標血糖範囲内(70~180mg/dL)の占める時間、高血糖(>180mg/dL)の占める時間についても、SMBG群と比較し有意な改善を認めた。内服薬の変更については12週、24週とも両群間で有意な差は認められなかった。

FGM群ではHbA1cがより改善し、改善効果は持続した

 

FGM群では目標血糖範囲内(70~180mg/dL)の占める時間が増加した
出典:名古屋大学、2020年
FGMにより生活習慣を改善できる可能性
 このように、インスリンを使用していない2型糖尿病患者に対して、FGMによる測定機会を一定期間提供することは、測定終了後も持続して糖尿病コントロールの改善をもたらすことが示された。

 今回の研究では、FGMには従来想定されていたインスリン投与量の調整による効果以外の糖尿病コントロール改善効果があることが示唆され、これは生活習慣の改善に起因すると推測される。

 研究グループは「今後、FGMによる生活習慣改善についての具体的な評価を実施し、FGMの幅広い糖尿病患者に対する糖尿病自己管理のための手段としての有用性を明らかにしていきたい」、と述べている。

名古屋大学大学院医学系研究科 糖尿病・内分泌内科学
Flash glucose monitoring helps achieve better glycemic control than conventional self-monitoring of blood glucose in non-insulin-treated type 2 diabetes: a randomized controlled trial(BMJ Open Diabetes Research & Care 2020年6月10日)
FreeStyleリブレ‐糖尿病関連製品情報サイト(アボットジャパン)
[Terahata]

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編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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