世界初の経口GLP-1受容体作動薬「セマグルチド」 MACEのリスクを増大させないことを確認

 ノボ ノルディスクは、第79回米国糖尿病学会(ADA)で「PIONEER 6」試験の主要結果を発表した。標準治療に追加した時の主要な心血管イベント(MACE)の発現について、経口セマグルチドのプラセボに対する非劣性が示された。
経口セマグルチド 心血管系に対する安全性を検証
 「PIONEER 6」試験の主要結果が第79回米国糖尿病学会(ADA)で発表され、「The New England Journal of Medicine(NEJM)」に掲載された。

 同試験は、心血管系疾患の既往を有する、または心血管系リスクが高い2型糖尿病患者を対象とした、経口セマグルチドのevent driven、承認申請前に実施する心血管アウトカム試験。セマグルチドは、開発中の1日1回服用のGLP-1受容体作動薬の錠剤だ。

 心血管イベントリスクの高い2型糖尿病患者3,183名を対象に、経口セマグルチドまたはプラセボを標準治療に追加投与し、心血管系に対する安全性を評価する無作為割付け、二重盲検、プラセボ対照比較試験として実施された。

 経口セマグルチドのPIONEER第3a相臨床開発プログラムは、臨床試験10試験に合計9,543名の2型糖尿病患者を組み入れたグローバル開発プログラム。

 同試験の主要評価項目である心血管死、非致死性心筋梗塞、または非致死性脳卒中の最初の発現までの時間に関するMACE複合アウトカムについて、経口セマグルチドのプラセボに対するハザード比(HR)は0.79(p<0.001)であり、心血管系安全性に関する経口セマグルチドのプラセボに対する非劣性が検証された。この結果は、追跡調査期間(中央値:16ヵ月)に発現した延べ137件の最初のMACEにもとづいている。

 このMACEの結果は、個別アウトカムである心血管死の減少(経口セマグルチドで15件[0.9%]に対しプラセボで30件[1.9%]、HR 0.49、p=0.03)および非致死性脳卒中の減少(経口セマグルチドで12件[0.8%]に対しプラセボで16件[1.0%]、HR 0.74、有意差なし)によるもの。

 非致死性心筋梗塞の発現件数については、経口セマグルチドとプラセボの間に有意差は認められなかった(経口セマグルチドで37件[2.3%]に対しプラセボで31件[1.9%]、HR 1.18、有意差なし)。

 副次的評価項目の中では、あらゆる理由による死亡について、経口セマグルチドでプラセボに比較し有意な減少が認められた(23件[1.4%] 対 45件[2.8%]、HR 0.51、p=0.008)。

 同試験の責任医師で論文筆頭執筆者である、カナダのテッド ロジャース心臓研究センターおよびトロント総合病院研究所の所長であるマンスール フセイン氏は「PIONEER 6試験の結果から、経口セマグルチドはMACEのリスクを増大させないことが確認され、またセマグルチドの全般的な心血管系安全プロファイルもいっそう明らかになった」と述べている。

Oral Semaglutide and Cardiovascular Outcomes in Patients with Type 2 Diabetes(New England Journal of Medicine 2019年6月11日)
[Terahata]

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編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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