安全性情報「メトグルコ」「グラクティブ」「ジャヌビア」の使用上注意を改訂

2011.07.28
 厚生労働省は27日に「医薬品・医療機器等安全性情報 281号」を公表し、「メトグルコ」、「グラクティブ」、「ジャヌビア」の添付文書の「使用上の注意」をそれぞれ改訂したことを示した。

「メトグルコ」の使用上の注意を改訂

 メトグルコ(一般名:メトホルミン塩酸塩、大日本住友製薬)は、メトホルミンの1日の最高投与量を750mgから2250mgに引き上げた新しい製剤で、国内で直近約1年間に約19万人の使用者がいると推計されている。

 昨年5月の発売から1年間に因果関係が否定できない副作用として、脱水による乳酸アシドーシスが2例(死亡1例)、腎機能の悪化による乳酸アシドーシスが1例(死亡0例)報告されたことから、「重要な基本的注意」に「脱水により乳酸アシドーシスを起こすことがある。脱水症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと」などが追加された。

使用上の注意(下線部追加改訂部分)

[重要な基本的注意] 脱水により乳酸アシドーシスを起こすことがある。脱水症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。 腎機能障害のある患者では腎臓における本剤の排泄が減少し,本剤の血中濃度が上昇する投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意すること。 1)腎機能や患者の状態に十分注意して投与量の調節を検討すること。 2)本剤投与中は定期的に,高齢者等特に慎重な経過観察が必要な場合にはより頻回に腎機能(eGFR,血清クレアチニン値等)を確認し,腎機能の悪化が認められた場合には,投与の中止や減量を行うこと。

「グラクティブ」「ジャヌビア」の使用上の注意を改訂

 「グラクティブ錠25mg、50mg、100mg」(一般名:シタグリプチンリン酸塩水和物、小野薬品工業)、「ジャヌビア錠25mg、50mg、100mg」(同、MSD)については、年間およそ63万人の使用者がいると推計されるが、同剤を使用した患者のうち過去1年5ヵ月の間に因果関係が否定できない副作用として間質性肺炎が6例(死亡0例)報告されたことから「重大な副作用」として「間質性肺炎」が追加された。

使用上の注意(下線部追加改訂部分)

[副作用(重大な副作用)] 間質性肺炎:間質性肺炎があらわれることがあるので,発熱,咳嗽,呼吸困難,肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には,速やかに胸部X線,胸部CT,血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

医薬品・医療機器等安全性情報 No.281(医薬品医療機器総合機構 2011年7月27日)

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