SGLT2阻害薬「フォシーガ」が慢性腎臓病(CKD)治療薬として厚労省より優先審査品目に指定

 アストラゼネカは、SGLT2阻害薬「フォシーガ」(一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール)が1月27日に、厚生労働省より慢性腎臓病治療薬として優先審査品目の指定を受けたと発表した。
既存治療と比較して有効性・安全性が明らかに優れていると認められた医薬品を優先的に審査
 優先審査は、厚生労働省が定める制度で、希少疾病用医薬品、先駆け審査指定医薬品のほか、重篤な疾病であり、かつ既存治療と比較して有効性または安全性が医療上明らかに優れていると認められた医薬品について、優先的に審査が行われるもの。

 今回の指定は、第3相DAPA-CKD試験の結果にもとづいている。同試験は、日本人を含む、2型糖尿病合併の有無を問わない慢性腎臓病患者を対象とした、SGLT2阻害薬ではじめての腎アウトカム試験。

 同試験で「フォシーガ」は、腎機能の悪化もしくは死亡(eGFRの50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、心血管死、腎不全による死亡)のいずれかの発生による主要複合評価項目の発現リスクを39%低下させた(p<0.0001)。絶対リスク減少率(ARR)は、中央値2.4年の試験において5.3%だった。

 この試験ではまた、プラセボと比較して全死亡のリスクを有意に31%低下する(ARR=2.1%、p=0.0035)など、全ての副次的評価項目を達成した。試験の結果は2020年8月に発表され、「The New England Journa of Medicine」に掲載された。

 「フォシーガ」は、国内で、2014年3月に「2型糖尿病」、2019年3月に「1型糖尿病」、2020年11月に「慢性心不全(ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。」の適応症を取得しており、同社は2020年12月に慢性腎臓病に対する効能・効果の承認事項一部変更の承認申請を行っている。

 「慢性腎臓病は、早期の診断および治療により、その進行を抑制することが重要ですが、現在国内で慢性腎臓病を効能・効果として有する薬剤はありません。フォシーガは、DAPA-CKD試験で、2型糖尿病合併の有無に関わらず、慢性腎臓病に対する有効性を示しました」と、同社では述べている。

 DAPA-CKD試験は、2型糖尿病合併の有無に関わらない、4,304例の慢性腎臓病患者(eGFR25以上75未満、かつ、アルブミン尿の増加が確認された患者)を対象とした、国際多施設共同無作為化二重盲検比較試験で、日本を含む21ヵ国で実施された。同試験は、フォシーガ10mg1日1回を慢性腎臓病の標準治療に追加投与し、有効性と安全性をプラセボと比較検討した。

Dapagliflozin in Patients with Chronic Kidney Disease(The New England Journa of Medicine 2020年9月24日)
アストラゼネカ
[Terahata]

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