ビタミンDレベルが2型糖尿病リスクと逆相関

 血清ビタミンDレベルが高いほど、2型糖尿病の発症リスクが低いという関連が報告された。この関連は、良好な睡眠が得られている人で、より顕著であるという。北京大学のMengying Wang氏らの研究によるもので、詳細は「Diabetes Care」11月号に掲載された。

 これまでにも、ビタミンDレベルが2型糖尿病の発症リスクと関連するという報告があるが、研究結果に一貫性が見られない。一方、ビタミンDによる睡眠障害の改善を示唆する報告も存在する。そこでWang氏らは、血清ビタミンD〔25-ヒドロキシビタミンD(25OHD)〕値と2型糖尿病の新規発症との関連、および、その関連に睡眠習慣が影響を及ぼしているかを検討した。

 この研究には、英国のバイオバンクのデータが用いられた。糖尿病でない35万211人を抽出し、8.1年間(中央値)追跡。血清25OHDと睡眠関連指標、および睡眠に関する遺伝的変異との関連を解析した。睡眠関連指標には、睡眠時間、不眠症、いびき、クロノタイプ(朝型か夜型か)、および日中の眠気という5つの項目が含まれ、それぞれのスコアによって睡眠パターンの質を評価した。

 追跡期間中に6,940人が2型糖尿病を発症した。多変量解析の結果、25OHD高値は2型糖尿病発症リスクが低いことと有意に関連していた。具体的には、血清25OHDが10nmol/L高いごとのハザード比が0.88(95%信頼区間0.87~0.90)であった。

 また、25OHDと睡眠パターンの間には、2型糖尿病発症リスクに対する有意な交互作用が認められ(P=0.002)、25OHDと2型糖尿病発症リスクの逆相関は、健康的な睡眠パターンの人でより顕著だった。睡眠関連指標の中では、日中の眠気が25OHDと最も強い交互作用を示した(P=0.0006)。つまり、日中に眠気を催す頻度が少ない人は、その頻度が高い人に比べて、25OHDが高いことで2型糖尿病発症リスクがより大きく低下すると考えられた。なお、睡眠に関する遺伝的変異は、25OHDと2型糖尿病発症リスクとの関係に有意な影響を及ぼしていなかった。

 著者らは、「この研究結果は、25OHDが高いほど2型糖尿病の発症リスクが低くなることを示している。またその関係は睡眠パターンによって変化し、中でも日中の眠気の影響が強い」と結論付けている。その上で、「この知見が追試により確認された場合は、睡眠障害のある人、特に日中に眠気を催しやすい人では、ビタミンD摂取が2型糖尿病発症予防戦略の1つになるかもしれない」と述べ、今後の研究に期待を表している。

[HealthDay News 2020年9月2日]

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[Terahata]
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