【新型コロナ】パンデミック中に1型糖尿病患者の3割がオンライン診療 89ヵ国を調査

パンデミック中、1型糖尿病患者の3割が遠隔受診
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック中に世界各国の1型糖尿病患者のおよそ3割が、遠隔医療を利用していたことが分かった。遠隔医療を利用した患者の多くはそのメリットを感じており、パンデミック収束後も引き続き遠隔医療の利用を考慮しているという実態も明らかになった。

 この研究は、ベルン大学(スイス)のSam Scott氏らが行ったもので、結果の詳細は「Endocrinology, Diabetes and Metabolism」8月29日オンライン版に掲載された。Scott氏らは、COVID-19パンデミックにより多くの国々が外出自粛または外出禁止状態にあった2020年3月24日~5月5日に、1型糖尿病患者を対象とする遠隔医療の利用状況調査を行った。調査期間中に89ヵ国から7,477件の回答が寄せられた。

 回答者の居住地の内訳は、欧州と北米が各37%、アフリカ・アジアが17%、オセアニア5%、南米4%で国別では米国(33%)と英国(15%)が多数を占めた。女性が68%で、年齢は25〜44歳が53%と過半数を占めた。回答者のHbA1cは平均7.1±1.2%で、罹病期間は17±12年、治療法は56%がインスリンポンプ療法、43%が頻回注射で、1%がそれらを併用していた。

 集計の結果、全体の32%はパンデミック期間中の治療状況に基本的な変化はなかったと回答し、30%は受診予約がキャンセルされたと回答した。さらに9%は、この期間中に医師との接触も絶たれたと回答した。遠隔医療を利用したのは28%で、その通信手段の内訳は電話が72%、ビデオ通話が28%だった。遠隔医療利用者の86%はそれが役立つと回答し、75%はパンデミック収束後の利用も考慮していた。

 遠隔医療の利用を前向きに捉える傾向に、年齢や教育レベルの関連は認められなかった。その一方で、血糖コントロール状態は、遠隔医療の捉え方に影響を及ぼす要因と考えられた。具体的には、HbA1cが9%を超える男性患者の45%、女性患者の20%が「遠隔医療は有用でない」と回答し、HbA1c9%未満の群との間に有意差が見られた(P=0.0016)。

 Scott氏は、「COVID-19パンデミックという厄災を経て、遠隔医療が糖尿病患者のケアの効率と費用対効果を向上させる、代替手段として定着していくのかもしれない」と述べている。

[HealthDay News 2020年10月8日]

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[Terahata]
編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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