SGLT2阻害剤「フォシーガ」が米国で慢性腎臓病を対象にブレークスルーセラピーに指定

 アストラゼネカは、SGLT2阻害薬「フォシーガ」(一般名:ダパグリフロジン)が米国で、2型糖尿病合併の有無に関わらず、慢性腎臓病(CKD)を対象に、ブレークスルーセラピー(画期的治療薬)に指定されたと発表した。
DAPA-CKD第3相試験で示された、CKD患者に対する腎不全への進行、心血管死または腎不全による死亡リスクの低下
 米国食品医薬品局(FDA)のブレークスルーセラピーとは、重篤な疾患の治療や、大きなアンメット・メディカル・ニーズに応える新薬の開発および審査の促進を目的とした制度。ブレークスルーセラピーの指定には、臨床的に重要な評価項目において、新薬が既存の治療法と比較して、顕著な改善を示唆する早期の臨床結果を示すことが必要となる。

 FDAによる「フォシーガ」へのブレークスルーセラピーの付与は、「DAPA-CKD」試験の臨床的エビデンスに基づいています。8月に発表した結果では、「フォシーガ」をCKDの標準治療に追加投与したところ、腎機能の悪化、心血管死または腎不全による死亡のいずれかの発生による複合評価項目がプラセボと比較して39%低下したことが示された(絶対リスク低下[ARR]=5.3%、p<0.0001)。また、プラセボと比較して全死亡のリスクを有意に31%低下したことが示された(ARR=2.1%、p=0.0035)。

 慢性腎臓病(CKD)は、腎機能の低下をともなう、重篤な進行性の疾患で、しばしば心疾患や脳卒中の発症リスクを増加させることが報告されている。

 米国では「フォシーガ」は、成人2型糖尿病患者の食事、運動療法の補助療法としての血糖コントロールの改善、および、心血管疾患の既往歴または複数の心血管リスク因子を有する2型糖尿病患者の心不全による入院リスク低下の適応を有している。また、2020年5月に米国で、2型糖尿病合併の有無に関わらず左室駆出率が低下した成人心不全(NYHA心機能分類:II~IV)の心血管死および心不全による入院のリスク低下に対する承認を取得した。

 なお、日本における「フォシーガ」の承認された適応症は「2型糖尿病」および「1型糖尿病」であり、CKDおよび心不全、2型糖尿病患者の心不全による入院リスクの低下を効能・効果とした承認は取得していない。

フォシーガ錠5mg フォシーガ錠10mg 添付文書 (医薬品医療機器総合機構)
[Terahata]

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