ジョスリン糖尿病センターなどへの留学生を募集 糖尿病・糖尿病合併症・糖尿病と全身疾患・歯科疾患に関する研究を支援 サンスター財団

2020.03.26
 一般財団法人サンスター財団は、糖尿病・糖尿病合併症・糖尿病と全身疾患の関連性・歯科疾患と全身疾患の関連性に関する、予防・運動・食事を含む歯科・医科分野の基礎研究・臨床応用研究への支援として海外留学生2名を募集する。

若手研究者を支援 留学先・対象研究テーマを拡大

 留学生の対象は、日本の歯科・医科・栄養学・生化学分野などの39歳以下の研究者とし、米国のハーバード大学医学部附属ジョスリン糖尿病センター(マサチューセッツ州ボストン市)、または応募者が希望する他の医科系・歯科系研究機関の研究室に、2年間留学する渡航費と滞在費(総額 11万ドル+100万円=約1,300万円相当)を支給する。

 募集期間は2020年4月1日~6月15日で、国内の大学、研究機関、医療機関の糖尿病、歯周病の専門家で構成される選考委員による独立性・公平性を重視した書類審査、面接選考を経て留学助成金受給者を決定、2021年から2年間留学するスケジュールとなる。

 この留学生募集は、サンスター財団が「金田博夫研究助成基金」として2009年から実施しているもので、これまで国内の大学・大学院・大学病院の医科・歯科の若手研究者14名が留学している。

 近年の口腔と全身の健康の関連性についての研究進展に鑑み、今回の募集から新たに、留学先をハーバード大学医学部附属ジョスリン糖尿病センターだけでなく、「応募者が希望する大学や研究機関」も選択できるよう拡大し、研究テーマについても「糖尿病以外の全身疾患と歯科疾患の関連性」を追加した。

 同財団は、口腔と全身の健康の関連性解明や、全身の健康増進に向けた医科・歯科など多職種連携による日本の医療および国民の健康保健の向上への貢献を目指している。

「金田博夫研究助成基金」設立経緯 口の健康は全身の健康に影響

 サンスターグループは、口の健康は全身の健康に影響するとの信念をもち活動している。1986年に、神戸市で歯周病に関する国際シンポジウムを開催、その後も口腔と全身の健康の関連性に関する先端的な研究分野に着目し、世界の医科・歯科専門家を招いた国際シンポジウムを開催している。

 2008年には、同財団の創設者である金田博夫氏が、全身の健康、糖尿病と口腔の健康に関する日米専門家パネルを企画・開催した。「口腔と全身の健康の生物学的な関連性から臨床的な意義を見出すためには、あらゆる面で医科と歯科の連携を強化する必要がある」としている。

 2008年4月には、世界最大の糖尿病研究・教育・診療機関である米国ハーバード大学医学部附属ジョスリン糖尿病センターと、ジョスリン・サンスター糖尿病教育プログラム(JSDEI:Joslin-Sunstar Diabetes Education Initiative)を共同で実施する契約を締結した。

 このプログラムの1つの施策として、2008年以降、サンスター財団とジョスリン糖尿病センター共催により、医科・歯科専門家向けのJSDEIセミナーを開催している。

 セミナーでは、肥満・糖尿病と栄養の関連性や、糖尿病と歯周病などの口腔内疾患との関連性について最先端の研究に従事している研究者、および糖尿病、歯周病の予防と治療に対する新しい視点でチャレンジしている医療関係者を講師に招き、糖尿病罹患予防・重症化予防および療養支援に役立つ最新情報を、医師、歯科医師、看護師、歯科衛生士、栄養士、薬剤師、研究者など、幅広い分野の専門家と共有、議論している。

 これまで、米国で7回、日本で7回、中国で2回、スイス、イタリア、ドイツ、スペイン、シンガポールで1回ずつ、計21回のJSDEIセミナーを行い、累計で約7,400名の医科・歯科の専門家が参加している。

 サンスター財団の「金田博夫研究助成基金」による若手研究者の留学支援は、糖尿病、歯周病など糖尿病の合併症の予防・治療を目指した基礎研究・臨床への応用研究を支援すべく、サンスター財団とジョスリン糖尿病センターとの協力関係をもとに、この分野の若手研究者が2年間、外国で研究できるだけの額を提供するもの。

一般財団法人サンスター財団

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