【新型コロナウイルス感染症】日本医師会が3月を「強化月間」に位置付け 一般の医療機関での対応方法も解説
2020.02.27
日本医師会は2月26日の記者会見を開き、3月を「新型コロナウイルス感染拡大防止強化月間」に位置付けることを明らかにした。
3月は「新型コロナウイルス感染拡大防止強化月間」
新型コロナウイルス感染症について、日本医師会は横倉義武会長を本部長とする「新型コロナウイルス感染症対策本部」を設置し、対応している。 日本医師会は2月26日の記者会見で、政府が前日に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策の基本方針を定めたことを受けて、「患者クラスター(集団)の連鎖拡大を抑えるために、この1~2週間の行動が重要となる」として、3月を「新型コロナウイルス感染拡大防止強化月間」に位置付けることを明らかにした。 ウイルスの水際対策から、肺炎発症者のサーベイランスにより重症化や死亡例を出さない対策に重点を置き、国内各地での対応が必要であることを強調している。ウイルス検査依頼を拒否される事例の調査へ
また、医師が保健所にウイルス検査を依頼しても、対応を断られるケースが報告されているとして、全国の実態を調査すると発表した。 都道府県医師会を通じて情報収集し、保健所に拒否されたケースが報告された場合、厚生労働省と情報共有し改善に取り組む方針を示した。 さらに、政府が示した基本方針については、「国民の不安を払拭できていない。重症化する2割の患者の多くが、基礎疾患のあったり高齢者であることを明確にするべきだ」と指摘している。新型コロナウイルス関連感染症 医療機関用資料
日本医師会のホームページでは、新型コロナウイルス関連感染症に関する「患者さんへのお願い」として、院内入口掲示用および院内掲示用の資料をダウンロードできるようにしてある。中国語による資料も公開している。一般の医療機関での対応方法を解説 動画を公開
新型コロナウイルス感染症の患者が事前に連絡なく一般の医療機関を受診した場合の対応方法などを解説。 日本医師会の予防接種・感染症危機管理対策委員会の委員でもある岡部信彦・川崎市健康安全研究所長が解説している。
新型コロナウイルス感染症への対応に関するQ&A
新型コロナウイルス感染症に関する要望書
横倉義武会長は2月14日、加藤勝信厚生労働大臣に「新型コロナウイルス感染症に関する要望書」を提出した。
厚生労働大臣
加藤勝信 殿 我が国のみならず世界の人々の生命と健康の安全を確保するため、新型コロナウイルス感染症対策の一層の充実を図るべく、以下に示す項目を強く要望いたします。 1. 新型コロナウイルス感染症に関する適切な情報の把握
・新型コロナウイルス感染症の研究開発体制の推進と知見の蓄積
・感染症の拡大防止のため、公衆衛生の維持・向上など法の理念に基づく行政判断 2. 国民に対する正確かつ有用な情報提供の徹底
・海外ならびに国内の感染者発生状況等の正確かつ迅速な情報提供
・帰国者・接触者相談センターへの連絡や帰国者・接触者外来への受診手順、その際の留意事項など、広報活動のさらなる徹底
・窓口となる保健所の対応体制の整備と充実 3. 新型コロナウイルス感染症に感染した人の早期発見と診断
・医療機関が相談できる窓口の臨時設置
・診断キットの早期開発と診断
・治療法の確立 4. 新型コロナウイルス感染症に対応する地域医療提供体制の強化
・各地域における感染症病床および陰圧室の拡充とそのための補助
・手袋、ヘッドカバー、サージカルマスク、フェイスシールド、グローブ、長袖ガウン、消毒等、PPE(個人防護衣:Personal Protective Equipment)の備蓄と分配
・帰国者・接触者外来のさらなる整備とそのための補助
・自院での診療もしくは帰国者・接触者外来等に出動する医師等の感染時に対する補償制度の創設 5. 新型コロナウイルス感染症対策の流行に備えた対策
・新型コロナウイルスワクチンの迅速な国内開発・製造
6. 新型コロナウイルス感染症対策への適切な財源の確保
公益社団法人 日本医師会加藤勝信 殿 我が国のみならず世界の人々の生命と健康の安全を確保するため、新型コロナウイルス感染症対策の一層の充実を図るべく、以下に示す項目を強く要望いたします。 1. 新型コロナウイルス感染症に関する適切な情報の把握
・新型コロナウイルス感染症の研究開発体制の推進と知見の蓄積
・感染症の拡大防止のため、公衆衛生の維持・向上など法の理念に基づく行政判断 2. 国民に対する正確かつ有用な情報提供の徹底
・海外ならびに国内の感染者発生状況等の正確かつ迅速な情報提供
・帰国者・接触者相談センターへの連絡や帰国者・接触者外来への受診手順、その際の留意事項など、広報活動のさらなる徹底
・窓口となる保健所の対応体制の整備と充実 3. 新型コロナウイルス感染症に感染した人の早期発見と診断
・医療機関が相談できる窓口の臨時設置
・診断キットの早期開発と診断
・治療法の確立 4. 新型コロナウイルス感染症に対応する地域医療提供体制の強化
・各地域における感染症病床および陰圧室の拡充とそのための補助
・手袋、ヘッドカバー、サージカルマスク、フェイスシールド、グローブ、長袖ガウン、消毒等、PPE(個人防護衣:Personal Protective Equipment)の備蓄と分配
・帰国者・接触者外来のさらなる整備とそのための補助
・自院での診療もしくは帰国者・接触者外来等に出動する医師等の感染時に対する補償制度の創設 5. 新型コロナウイルス感染症対策の流行に備えた対策
・新型コロナウイルスワクチンの迅速な国内開発・製造
6. 新型コロナウイルス感染症対策への適切な財源の確保
令和2年2月14日
公益社団法人日本医師会長 横倉義武
公益社団法人日本医師会長 横倉義武
・ 新型コロナウイルス関連感染症(日本医師会)
・ 新型コロナウイルス関連感染症 都道府県医師会宛て通知(日本医師会)
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]