EMPA-REG OUTCOME試験の事後解析 「ジャディアンス」が心血管・腎疾患のリスクを低下 顕性蛋白尿をともなわない慢性腎臓病を有する成人2型糖尿病患者で

 「EMPA-REG OUTCOME」試験の新たな事後解析結果を、ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリー・アンド・カンパニーが第79回米国糖尿病学会(ADA)学術会議で発表した。
 SGLT2阻害薬「ジャディアンス(一般名:エンパグリフロジン)」が、顕性蛋白尿をともなわない慢性腎臓病を有する心血管疾患既往のある成人2型糖尿病患者群と、試験の他のすべての患者群で、一貫して心血管および腎疾患リスクを低下した。
顕性蛋白尿をともなわない慢性腎臓病を有する成人 2 型糖尿病患者で心血管・腎疾患リスクが低下
 「EMPA-REG OUTCOME」は、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照の国際共同試験で、42ヵ国から心血管イベントのリスクが高い2型糖尿病の患者7,000人以上が参加した。試験では、標準治療にプラセボを上乗せした群とSGLT2阻害薬「ジャディアンス」(10mgまたは25mg 1日1回)を上乗せした群とで長期の心血管安全性を評価した。

 標準治療については、血糖降下薬と心血管治療薬(降圧薬やコレステロール降下薬など)が使用されていた。主要評価項目は、心血管死、非致死的心筋梗塞、または非致死的脳卒中が最初に起こるまでの期間として定義。

 その結果、同剤が、顕性蛋白尿をともなわない慢性腎臓病(今回の試験では、eGFR<60 ml/min/1.73m²かつUACR<300mg/gと定義)を有する心血管疾患既往のある成人2型糖尿病患者群と、試験の他のすべての患者群で、一貫して心血管および腎疾患リスクを低下した。

 慢性腎臓病の症例の約3分の2は糖尿病(糖尿病腎症)、肥満、高血圧などの代謝性疾患を起因としている。一般的に慢性腎臓病は尿中の蛋白をともなうが、多くは顕性蛋白尿ではなく、正常から中等度までの尿蛋白にとどまる。こうした腎臓病が一般的になりつつあり、有害な転帰を来すリスクが増大することが知られているが、十分な研究は行われていない。

 今回の新たな事後解析で、心血管および腎アウトカムのリスク低下に対する同剤の影響は、同試験における顕性蛋白尿をともなわない慢性腎臓病患者群と、他のすべての患者群で一貫していた。

 評価したアウトカムには、安全性に加え、心血管死、心不全による入院、腎症の初回発現もしくは悪化、さらに心血管死または心不全による入院の複合アウトカムが含まれる。

 なお、日本での「ジャディアンス」の効能・効果は2型糖尿病であり、心血管イベントおよび腎臓病のリスク減少に関連する効能・効果は取得していない。

 さらに、2019年国際腎臓学会(ISN)世界腎臓学会議(WCN)で発表された同剤の別の事後解析結果から、心血管・腎アウトカムに対する同剤の影響は、同試験での顕性蛋白尿をともなう腎臓病患者群と試験の他のすべての患者群で一貫していることが示された。

 これらの事後解析は、患者が顕性蛋白尿をともなう腎臓病を有するかどうかにかかわらず、心血管・腎アウトカムに対して同剤の影響が一貫して得られることを示唆している。

 今回の「EMPA-REG OUTCOME」試験の事後解析から得られた新たな知見は、「ジャディアンス」が患者の健康上のアウトカムや、幅広い循環器代謝性疾患の治療オプションとして治療ギャップの解消に影響しうるのかを評価する、広範囲かつ包括的な臨床開発プログラムの一部だ。

 「2型糖尿病で、慢性腎臓病を合併するケースが増えているが、そうした症例への研究はまだ多くはない。我々は、慢性腎臓病を有する幅広い成人患者の心血管死および腎臓病の進行に対するジャディアンスの影響を評価する、大規模臨床試験EMPA-KIDNEY試験も開始している」と、ベーリンガーインゲルハイムのWaheed Jamal氏は述べている。

 「EMPA-KIDNEY」試験は、慢性腎臓病患者の腎および心血管イベントにおける同剤の有効性・安全性を評価する、無作為化、二重盲検、プラセボ対照の国際共同第3相臨床試験。腎臓病の進行および心血管死のリスクという臨床的に重要なアウトカムに対する同剤の有効性および安全性を評価する。

ジャディアンス錠 10mg/25mg 添付文書(PMDA)
[Terahata]

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