ジャディアンスのEMPA-REG OUTCOME試験 ベースライン時の顕性アルブミン尿をともなうDKD患者における複合腎・心血管アウトカムの結果を公表

 SGLT2阻害薬「ジャディアンス」(一般名:エンパグリフロジン)の「EMPA-REG OUTCOME」の結果が発表された。「ジャディアンス」による複合腎・心血管イベントへの効果は、全体集団、ベースライン時の顕性アルブミン尿をともなうDKD患者、およびその他の糖尿病患者において一貫していることが示された。
全体集団、ベースライン時の顕性アルブミン尿をともなうDKD患者、
およびその他の糖尿病患者で、ジャディアンスは複合腎・心血管イベントを
一貫して抑制
 SGLT2阻害薬「ジャディアンス」(一般名:エンパグリフロジン)による「EMPA-REG OUTCOME」試験のベースライン時の顕性アルブミン尿をともなう糖尿病性腎臓病(DKD)患者における複合腎・心血管アウトカムの結果が国際腎臓学会(ISN)のWorld Congress of Nephrology(WCN)2019で公表された。発表は日本ベーリンガーインゲルハイムと日本イーライリリーによるもの。

 「EMPA-REG OUTCOME」は、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照の国際共同試験で、42ヵ国から心血管イベントのリスクが高い2型糖尿病の患者7,000人以上が参加した。

 試験では、標準治療にプラセボを上乗せした群とエンパグリフロジン(10mgまたは25mg 1日1回)を上乗せした群とで長期の心血管安全性を評価。標準治療については、血糖降下薬と心血管治療薬(降圧薬やコレステロール降下薬など)が使用された。

 主要評価項目は、心血管死、非致死的心筋梗塞、または非致死的脳卒中が最初に起こるまでの期間として定義された。

 その結果、心血管イベントの発症リスクが高い2型糖尿病患者において、標準治療に「ジャディアンス」を上乗せ投与した結果、プラセボ群と比較して、主要評価項目である複合心血管イベント(心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中)のリスクが14%有意に減少したことが示された。また、心血管死のリスクは38%減少した。

 「ジャディアンス」は、事前に規定された心血管アウトカムに特化した単一試験において、糖尿病治療薬としてはじめて、複合心血管イベントならびに心血管死を有意に減少させたはじめての選択的SGLT2阻害薬となる。

 さらに、同試験の副次評価項目では、腎症の初回発現もしくは悪化を評価した複合腎イベントの相対リスクが、プラセボ群と比較して「ジャディアンス」投与群で39%低下することも示された。

 さらなる解析として、腎イベントのリスクが高い、ベースライン時の顕性アルブミン尿をともなうDKD患者(30≤eGFR<90 ml/min/1.73m²かつUACR>300 mg/g)と、その他の患者(eGFR≥90 ml/min/1.73m²またはUACR≤300 mg/g)における複合腎・心血管アウトカム(末期腎不全[腎代替療法の開始またはeGFR<15 ml/min/1.73m²の持続]、血清クレアチニン値の倍加、腎疾患による死亡または心血管死のいずれかとして定義)の解析が行われた。

 また、その他の評価項目として、複合心血管アウトカム(心不全による入院または心血管死)、心血管死、複合腎アウトカム(末期腎不全、血清クレアチニン値の倍加、腎疾患による死亡)および全死亡について解析が行われた。

 「EMPA-REG OUTCOME」試験の全体集団において、「ジャディアンス」群ではプラセボ群に比べ、複合腎・心血管イベントリスクが43%低下した(ハザード比0.57、95%信頼区間0.46-0.70)。

 腎イベントリスクが高い集団である、ベースライン時の顕性アルブミン尿をともなうDKD患者において、「ジャディアンス」群ではプラセボ群に比べ、複合腎・心血管イベントリスクが54%低下した(ハザード比0.46、95%信頼区間0.31-0.68)。

 さらに、その他の患者でも、「ジャディアンス」群ではプラセボ群に比べ、複合腎・心血管イベントリスクが41%低下した(ハザード比0.59、95%信頼区間0.46-0.75)。

 これらの結果より、「ジャディアンス」による複合腎・心血管イベントへの効果は、全体集団、ベースライン時の顕性アルブミン尿をともなうDKD患者、およびその他の糖尿病患者において一貫していることが示された。

 「EMPA-REG OUTCOME」試験の全体集団、顕性アルブミン尿をともなうDKD患者、およびその他の患者における一貫した治療効果は、複合心血管イベント、心血管死、複合腎イベント、全死亡においても示された。

 なお、日本でのジャディアンス錠の効能・効果は2型糖尿病であり、心血管イベントおよび腎イベントのリスク減少に関する効能・効果は取得されていない。

ジャディアンス(ベーリンガーインゲルハイム ベーリンガープラス)
[Terahata]

関連ニュース

2019年04月18日
血圧が低い場合でも循環器疾患による死亡リスクは上昇 降圧薬で血圧を下げても安心はできない
2019年04月18日
ジャディアンスのEMPA-REG OUTCOME試験 ベースライン時の顕性アルブミン尿をともなうDKD患者における複合腎・心血管アウトカムの結果を公表
2019年04月18日
米国内分泌学会が高齢糖尿病患者の診療指針を策定
2019年04月11日
1型糖尿病の根治療法「バイオ人工膵島移植」も視野に 日本で「動物性集合胚」研究の規制が大幅に緩和 京都大学iPS細胞研究所など
2019年04月11日
ジャディアンスとDPP-4阻害薬を比較したリアルワールド研究「EMPRISE」 入院リスクの低下および入院期間の短縮と相関
2019年04月11日
2型糖尿病治療剤「Imeglimin」の第3相試験で良好な解析結果 ミトコンドリア機能を改善する新たな機序の新薬
2019年04月11日
SGLT2阻害薬「フォシーガ」 2型糖尿病治療における心血管アウトカムへの影響を示すDECLARE-TIMI 58試験のサブ解析
2019年04月11日
HbA1c基準では糖尿病の過小診断につながる可能性
2019年04月08日
「1型糖尿病を根絶するための研究」を支援 日本IDDMネットワーク
2019年04月04日
「糖尿病標準診療マニュアル」第15版(一般診療所・クリニック向け)を公開 日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会

関連コンテンツ

編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
ページのトップへ戻る トップページへ ▶