受動喫煙がCKDの発症を増やす 週に3日未満でもリスクは1.44倍に上昇

 受動喫煙は慢性腎臓病(CKD)の有病率の上昇と関連があり、CKDの発症にも影響しているという研究を、韓国の仁荷大学校医学部が発表した。研究は「Clinical Journal of the American Society of Nephrology」のオンライン版に掲載された。
受動喫煙は明らかにCKD発症と関連している
 韓国の仁荷大学校医学部のJung Tak Park氏らは、韓国ゲノム疫学研究に2001~2014年に参加した13万1,196人(平均年齢53歳)を対象に、受動喫煙と慢性腎臓病(CKD)の関連について調査。被験者は全員ベースラインで腎機能が正常で喫煙習慣がなかった。

 平均104ヵ月の追跡期間中のCKDの発症率は16%。オッズ比を補正したところ、受動喫煙にされされている被験者はそうでない被験者に比べ、CKDの発症率が有意に高いことが明らかになった。

 平均8.7年の追跡期間中にCKDと新規に診断された1,948人を対象とした解析では、受動喫煙を経験していない被験者に比べ、オッズ比は受動喫煙を週に3日以上経験している被験者で1.72、3日未満の被験者で1.44だった。多変量解析によると、ハザード比は3日/週以上の被験者で1.66、3日/週未満の被験者で1.59だった。

 受動喫煙は糖尿病リスクも高める。中国の華中科技大学などの研究では、受動喫煙が常態化すると、2型糖尿病の発症リスクが22%増加することが示されている。

 「たばこ規制をめぐる法と政策が整備されているにもかかわらず、職場や家庭での受動喫煙は一般的によくみられる。受動喫煙の頻度が低い場合でも、明らかにCKD発症と関連していた」と、Park氏は述べている。

 「受動喫煙防止を強化し、家庭での喫煙の危険性についての教育プログラムを提供することで、CKDの発症リスクを低下できる可能性がある」と指摘している。

Secondhand smoke linked with higher kidney disease risk(American Society of Nephrology 2019年3月7日)
Secondhand Smoke and CKD(Clinical Journal of the American Society of Nephrology 2019年3月)
Smoking and diabetes risk: building a causal case with clinical implications(Lancet 2015年9月17日)
[Terahata]

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編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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