糖尿病患者数が過去最多の328万人超に増加 【2017年患者調査】

2019.03.08
 厚生労働省は「2017年患者調査の概況」を発表した。糖尿病患者数は、前回調査(2014年)から12万3,000人増えて、過去最多の328万9,000人になった。

糖尿病患者数は328.9万人、高血圧患者数が993.7万人

 調査結果によると、「糖尿病」の患者数は328万9,000人(男性184万8,000人、女性144万2,000人)となり、前回(2014年)調査の316万6,000人から12万3,000人増えて、過去最高となった。

 「脂質異常症」は14万3,000人増、「がん」は15万6,000人増、「心疾患」は3,000人増となっている。「高血圧性疾患」は17万1,000人減、「脳血管疾患」は6万4,000人減だった。

 主な疾患の総患者数は下記の通り――

主な傷病 総数 男性 女性
糖尿病 328万9,000人 184万8,000人 144万2,000人
高血圧性疾患 993万7,000人 431万3,000人 564万3,000人
脂質異常症 220万5,000人 63万9,000人 156万5,000人
心疾患(高血圧性のものを除く) 173万2,000人 96万3,000人 77万5,000人
悪性新生物(がん) 178万2,000人 97万人 81万2,000人
脳血管疾患 111万5,000人 55万6,000人 55万8,000人
慢性腎臓病 39万3,000人 24万2,000人 15万1,000人

65歳以上の患者数は過去最多 在宅医療が18万人超

 推計患者数は入院が131万2,600千人(病院127万2,600人、診療所3万9,900人)で、外来は719万1,000人(病院163万人、診療所421万3,300人)だった。ともに2014年の前回調査から減少した

 一方、高齢化の進展などで65歳以上の患者数は過去最多となった。うち65歳以上が占める割合は入院が73.2%、外来が50.7%、75歳以上が占める割合は入院が53.2%、外来が28.9%となっている。

 調査日に在宅医療を受けた推計外来患者数は18万100人で、施設の種類別にみると、病院が2万300人、一般診療所が10万5,200人となっている。在宅医療のうち、定期的な「訪問診療」を受けた患者は11万6,300人となった。必要に応じて医師を呼ぶ「往診」を受けたのは4万4,300人だった。

 在宅医療を受けた外来患者数は2005年までほぼ横ばいだったが、2008年からは増加している。外来患者の増加について、厚労省は「新薬開発や医療技術の向上を背景に、在宅医療が可能な疾患が増えていることなどが挙げられる」と説明。高齢化社会を受け、入院患者を抑えて在宅医療を促す同省の政策が影響しているとみられる。

 調査は3年ごとに実施しており、全国の病院6,427施設、一般診療所5,887施設などのうち、これらの施設を利用した入院・外来患者約228万人、退院患者約115万人を対象とした。

平成29年(2017)患者調査の概況(厚生労働省)

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