糖尿病専門医への「紹介基準」を作成 日本糖尿病学会

 日本糖尿病学会はこのほど、「かかりつけ医から糖尿病専門医・専門医療機関への紹介基準」を学会ホームページに掲載した。同基準は、日本糖尿病学会が作成し、日本医師会が監修したもの。
慢性合併症のハイリスク者は専門医に紹介
 紹介基準は、▽血糖コントロール改善・治療調整、▽教育入院、▽慢性合併症、▽急性合併症、▽手術――からなる5項目で構成。この基準ならびに地域の状況などを考慮し、かかりつけ医が紹介を判断し、かかりつけ医と専門医・専門医療機関で逆紹介や併診などの受診形態を検討するよう促している。

 血糖コントロール改善・治療調整の項目では、具体的な例として、
(1)薬剤を使用しても十分な血糖コントロールが得られない場合や次第に血糖コントロール状態が悪化した場合、
(2)血糖降下薬の選択などの新たな治療の導入に悩む場合、
(3)1型糖尿病など内因性インスリン分泌が高度に枯渇している場合、
(4)低血糖発作を頻回に繰り返す場合、
(5)妊婦へのインスリン療法を検討する場合、
(6)感染症を合併している場合
を挙げている。  (1)では、血糖コントロール目標が達成できない状態が3カ月以上続く場合、生活習慣のさらなる介入強化や悪性腫瘍などの検索を含めて、紹介が望ましいとしている。

 教育入院については、食事・運動療法、服薬、インスリン注射、血糖自己測定など、外来で十分に指導ができない場合、特に診断直後の患者や、教育入院経験のない患者で、その可能性を考慮するよう促している。

 慢性合併症について、慢性合併症(網膜症、腎症、神経障害、冠動脈疾患、脳血管疾患、末梢動脈疾患など)発症のハイリスク者(血糖・血圧・脂質・体重などの難治例)である場合や、これらの糖尿病合併症の発症、進展が認められる場合に紹介を考慮するよう求めている。

 急性合併症の項目では、(1)糖尿病ケトアシドーシスの場合、(2)ケトン体陰性でも高血糖(300mg/dL以上)、高齢者などで脱水徴候が著しい場合を挙げている。(1)では、直ちに初期治療を開始すると同時に専門医療機関への緊急移送を行うことを示し、(2)では、高血糖高浸透圧症候群の可能性があるため、速やかに紹介することが望ましいとしている。

「かかりつけ医から専門医・専門医療機関への紹介基準」について(日本糖尿病学会)
[Terahata]

関連ニュース

2020年03月05日
高齢糖尿病患者などで血糖コントロールが厳格過ぎる 低血糖リスクが高い可能性
2020年02月27日
SGLT2阻害薬の心血管保護効果は背景因子に関わらず有意
2020年02月20日
膵島抗体スクリーニングで小児1型糖尿病リスクを評価可能
2020年02月13日
NAFLD併発2型糖尿病患者の医療費が今後20年で6兆円――米国の推計
2020年02月06日
高齢1型糖尿病患者では重症低血糖が認知機能低下のリスク
2020年01月30日
isCGMで成人1型糖尿病患者の低血糖や欠勤が有意に減少
2020年01月23日
SGLT2阻害薬で痛風発症率が低下
2020年01月16日
歯周病の治療で糖尿病の合併症が減り、費用対効果がアップ
2020年01月09日
高齢2型糖尿病患者の低血糖リスクを3項目で評価
2019年12月25日
男性は運動により空腹時GLP-1が低下し糖負荷後の応答が改善

関連コンテンツ

編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
ページのトップへ戻る トップページへ ▶