SGLT2阻害剤「フォシーガ」の心血管ベネフィットを検討 全死亡・心不全入院・心筋梗塞・脳卒中のリスク低下を示唆

2018.03.13
 アストラゼネカは、「フォシーガ」(一般名:ダパグリフロジン)を含むSGLT2阻害剤による治療を受けている40万人超の2型糖尿病患者の全死亡、心不全による入院、心筋梗塞および脳卒中のリスクを、他の血糖降下薬治療との比較で評価する、大規模リアルワールドエビデンス試験である「CVD-REAL」の、新たな解析を発表した。

全死亡率は49%減、心不全入院率は36%減、心筋梗塞の発症率は19%減、脳卒中の発症率は32%減

 今回の新しい分析結果「CVD-REAL 2」は、世界6ヵ国(オーストラリア、カナダ、イスラエル、日本、シンガポール、韓国)の40万例超の2型糖尿病患者を対象とし、うち74%の患者には心血管疾患の既往歴がなかった。

 この2型糖尿病患者集団全体で、SGLT2阻害剤であるフォシーガ(ダパグリフロジン)、エンパグリフロジン、イプラグリフロジン、カナグリフロジン、トホグリフロジンおよびルセオグリフロジンによる治療は、他の2型糖尿病治療薬による治療と比較して、全死亡率を49%、心不全による入院率を36%、心筋梗塞の発症率を19%、脳卒中の発症率を32%(全てp≤0.001)減少させたことが示された。また、心不全による入院あるいは全死亡の複合評価項目の減少率は40%(p<0.001)だった。

 「CVD-REAL 2」試験の今回の解析の対象患者の使用薬剤の割合は、フォシーガ使用が75%、エンパグリフロジンが9%、イプラグリフロジンが8%(韓国および日本のみでの処方)、カナグリフロジンが4%、トホグリフロジンが3%、ルセオグリフロジンが1%(両剤ともに日本のみでの処方)だった。

 「今回の解析において患者の大多数がフォシーガを服用していたことから、多様な人種・民族の患者にわたる、フォシーガ服用と心血管ベネフィットの強い関連性を示唆している」と、アストラゼネカのElisabeth Björk氏は述べている。

 現在、世界では約4億2,500万人の成人が糖尿病に罹患し、患者数は2045年までに6億2,900万人(成人10人中1人)に増加し、その大多数がアジア太平洋、中東および北米に居住していると推定されている。

 2018年下半期に最初の結果の公開が予定されている「DECLARE」試験では、フォシーガの心血管系に対する有効性と安全性に関するエビデンスが得られると予測されている。「DECLARE」試験は、SGLT2阻害剤クラスにおいての広範かつ代表的な患者を対象とした心血管アウトカム試験で、臨床的に意味のある、心不全による入院および心血管死の複合エンドポイントを共主要評価項目とする唯一の試験だという。

 なお、日本におけるフォシーガの効果効能は2型糖尿病であり、全死亡や心不全による入院、心筋梗塞、脳卒中のリスクの減少としての効能は取得していない。

 この解析結果は、第67回米国心臓病学会年次学術集会のlate breakerにおいて発表され、同時にthe Journal of the American College of Cardiologyにも掲載された。

Lower Cardiovascular Risk Associated with SGLT-2i in >400,000 Patients: The CVD-REAL 2 Study(Journal of the American College of Cardiology 2018年3月5日)

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