1型糖尿病市場は2026年までに4,300億円に拡大 インスリンのバイオシミラーへの切り替えやインスリンポンプの普及がポイントに

 1型糖尿病の日本を含む主要7ヵ国の医薬品市場の規模は、2026年までに4,300億円(39億ドル)規模まで拡大するという予想が発表された。
薬剤併用が増え「人工膵臓」の実用化も視野に入ってきた
 1型糖尿病の主要7ヵ国(米国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス、日本)の医薬品市場は、2026年までに4,300億円(39億ドル)規模まで拡大するとという予測を、コンサルティング会社のディシジョン・リソーシズ・グループ日本支店が公表した。

 1型糖尿病の治療では、高額の医薬品が使われるようになり、薬剤併用が増えている。新規の薬剤は既存薬からシェアを奪うと予測している。1型糖尿病の罹患数そのものも世界的に上昇している。

 この数年の変動として、新規超速効型インスリンアスパルト製剤「Fiasp」の上市や、インスリン製剤のバイオシミラーの品目が増え、SGLT2阻害薬クラスの1型糖尿病への承認などがある。

 「ランタス」「ノボログ」「ヒューマログ」などはバイオシミラーに代替され、ノボ ノルディスクの新しい超即効型インスリン「Fiasp」が既存品と入れ替わる可能性がある。これらの薬剤クラスは後期治療ラインで使用されるが、2026年までに相当な市場シェアを握ると予測している。

 1型糖尿病のアンメットニーズとして、血糖変動が大きいこと、インスリン注射へのアドヒアランスの不良、一部の患者でインスリンへの反応が予測できないことなどが挙げられる。

 解決策のひとつであるインスリンポンプは2026年まで進歩を続ける。1型糖尿病の成人と小児のインスリンポンプの使用は米国が顕著に多いが、今後は日本など他の国にも広がる可能性がある。そうなると、超速効型インスリン製剤の使用が促進された結果、持効型溶解インスリン製剤の常用は減る。

 完全自動化された「人工膵臓」システムの実用化も視野に入っており、ポンプを使用する成人・小児の割合が増加すると見込まれている。

 医療の進歩の恩恵を受け、1型糖尿病患者の寿命は主要国で延びており、生涯におよぶ外因性インスリン注射治療、1型糖尿病に対するSGLT2阻害薬の上市による薬剤併用の増加なども、1型糖尿病市場を押し上げる要因となる。

 インスリンは引き続き1型糖尿病の治療で不可欠で、SGLT2阻害薬は治療の補助的な役割を担うにとどまるが、一定のニーズはあると予測されている。

ディシジョン・リソーシズ・グループ
[Terahata]

関連ニュース

2019年04月04日
「糖尿病標準診療マニュアル」第15版(一般診療所・クリニック向け)を公開 日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会
2019年04月04日
受動喫煙がCKDの発症を増やす 週に3日未満でもリスクは1.44倍に上昇
2019年04月04日
腎機能障害が2型糖尿病リスクを上昇させる 腎疾患と糖尿病の相互関係を解明
2019年04月04日
性腺機能低下症へのテストステロン療法は2型糖尿病予防に有用か
2019年03月28日
慢性腎臓病の早期診断に「D-セリン」が有用 糸球体ろ過量と強く相関 医薬基盤・健康・栄養研究所
2019年03月28日
SGLT2阻害薬「フォシーガ」 1型糖尿病に対する効能・効果の追加承認を日本で取得
2019年03月28日
肥満による基礎代謝低下の分子メカニズムを解明 肥満や2型糖尿病、脂肪肝の新たな治療法の開発へ 広島大学
2019年03月28日
京都大学などが「薬剤師教育プログラム」の開発へ 糖尿病患者の病態改善に薬剤師が積極的に関与
2019年03月28日
妊娠糖尿病女性は産後の心血管イベントリスクが高い
2019年03月26日
【レポート】スローカロリー研究会 第5回年次講演会 ゆっくり吸収されるカロリーを具体的に活用

関連コンテンツ

編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
ページのトップへ戻る トップページへ ▶