糖尿病と骨粗鬆症の危うい関係『月刊糖尿病』 [糖尿病の本]

月刊 糖尿病 2017年4月発行号 -主な内容-

糖尿病と骨粗鬆症の危うい関係~骨折予防のトータルマネジメント~

  1. 糖尿病関連骨粗鬆症総論
     1.なぜ糖尿病は骨折リスクとなるのか ~その病態と疫学~/竹内靖博
     2.糖尿病における骨折リスク因子/井上大輔
     3.糖尿病関連骨粗鬆症における検査と解釈/山本昌弘
  2. 糖尿病関連骨粗鬆症の基礎知識
     1.糖代謝異常が骨質(構造・材質)に与える影響とは/斎藤 充
     2.糖代謝と骨代謝の臓器間ネットワーク/荒井 誠・竹田 秀
     3.サルコペニア・フレイルと糖代謝異常/荒井秀典
  3. 糖尿病関連骨粗鬆症の臨床各論
     1.糖尿病腎症と骨粗鬆症/今西康雄
     2.糖尿病神経障害と転倒リスク/麻生好正
     3.糖尿病治療薬が骨粗鬆症に与える影響/黒住 旭・岡田洋右
     4.糖尿病合併骨粗鬆症における骨粗鬆症薬物治療/山内美香
     5.糖尿病と骨粗鬆症の栄養管理/上西一弘
     6.骨粗鬆症の運動療法とエネルギー代謝/村木重之

〔特集にあたって〕
 寿命の延伸が必ずしも健康寿命の延伸に直結しないことは,超高齢社会において大きな問題となっているが,その原因のひとつは,加齢に伴う罹患疾患数の増加である.そのことにより,疾患相互の影響の有無を考慮する必要が生じるとともに,治療薬が他の疾患に及ぼす効果についても考える必要性が生じることにもなる.糖尿病と骨粗鬆症の関係については,ここ数年多くの知見が集積され,世界的な注目を浴びている.この両者の関係は,糖尿病患者が高齢化している現実からもより一層重要となっている.
 我が国のような超高齢社会では,糖尿病患者が加齢とともに筋骨格系の疾患を合併するようになり,生活機能をさらに低下させる要因となっている.以前は,糖尿病患者にとって単なる併存症と考えられていた骨粗鬆症であるが,近年糖尿病患者での糖化や酸化ストレスが骨質を大きく低下させ,さらには骨折率の上昇という臨床的イベントにつながることが明らかとなってきた.また,糖尿病治療薬のなかには,骨代謝に影響を与え骨折リスクにつながるものもあり,両者の関係は臨床的判断にも影響を与えるインパクトがあることもわかってきた.そのため,特集のタイトルを糖尿病と骨粗鬆症の「危うい関係」とした.また,サブタイトルとして両疾患とその合併症全体を俯瞰する必要性に鑑み,「骨折予防のトータルマネジメント」とした.このサブタイトルには,骨折は単なる事故ではなく,臨床的危険因子の積み重ねによる臨床的なイベントであることを強調する意味もある.
 特集の内容は,はじめに糖代謝異常が骨に与える影響について,なにがどこまでわかっているのかを明らかにするとともに,実際の骨折リスク評価について総論と各論とに分けて執筆いただくこととした.これは,症例数の多い糖尿病のような慢性疾患患者のなかで,どの患者に対して筋骨格系の健康に留意すべきかを層別化して考えなければ,非常に効率の悪い医療となってしまうからである.さらには,治療上の留意点,栄養指導・生活指導などの日常臨床に必要な知識を網羅し,糖尿病と骨粗鬆症の両者を合併する高齢者に対して,なにをすればよいかをわかりやすくまとめることを目指した.とくに,多忙を極める臨床医や医療スタッフが,日常臨床のなかにおいて手元で参照できる項目立てを目指した.
 本特集により,糖尿病専門医にとって,ともすれば心理的ハードルが高くなる筋骨格系疾患の予防と治療が,臨床の現場でより一層スムーズに行われることの一助となれば幸いである.

鈴木敦詞
(藤田保健衛生大学 医学部 内分泌・代謝内科学 教授)

●A4変型判/96頁 本体2,700円+税 2017年3月20日発売 医学出版(03-3813-8722)
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編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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