「糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ研究会」が発足 第1回研究会を開催

 「第1回糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ研究会」が11月26日に、国立国際医療研究センター(東京都新宿区)で開催された。
 糖尿病は脳血管疾患・がん・認知症など多くの疾病と関連しており、その予防と管理が課題となっている。糖尿病やこれに関連する生活習慣病の臨床、ケアと予防学を推進し、また、人間でのデータに基づいた、それらに資するエビデンスに依拠した医療と予防医学を創出することは喫緊の課題となっている。

 「糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ研究会」は、糖尿病を中心とする生活習慣病についての臨床研究・疫学研究、情報(基礎データ)に基づくエビデンスの創出に携わる研究者が広く集い、活動を向上・活性化させることを目的に設立された。

 第1回は、JPHC研究や久山町研究をはじめ、日本の糖尿病に関する疫学研究・臨床研究のショーケースのような研究会となっており、糖尿病の予防から臨床に至る日本発の幅広いデータが示された。
「第1回糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ研究会」
日時:2016年11月26日(土)
場所:国立国際医療研究センター 研修棟5階 大会議室
東京都新宿区戸山1-21-1
会長:野田光彦(埼玉医科大学 内分泌・糖尿病内科 教授)
糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ研究会を発足させるにあたって
第1回糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ研究会
会長 野田光彦
埼玉医科大学内分泌・糖尿病内科教授
 糖尿病は、良好な管理がなされなければ、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害を合併したり、糖尿病足病変を併発したりするのみならず、心筋梗塞や脳率中など心血管疾 患のリスクをその初期から高めることも知られており、さらに近年では、糖尿病が癌や鬱病、認知症や骨粗鬆症、歯周病のリスクも増加させることも明らかにされています。

 糖尿病や、これに代表される、肥満、高血圧、脂質異常症、脂肪肝、動脈硬化疾患、高尿酸血症や、認知症などの生活習慣病の診療・ケアや予防は、広くエビデンス(実証)に依拠して行われるべきものでありますが、わが国の現状は必ずしもそれらが十二分とはいえず、また、そのための体制整備にも、ともすれば基礎的研究面が重視されがちな現況に鑑み、不十分な点があります。

 このような、優れて現状に直結した観点から、広く糖尿病やこれに関連する生活習慣病の臨床、ケアと予防学を推進し、また、人間でのデータに基づいた、それらに資するエビデンスに依拠した医療と予防医学を創出することは喫緊の課題であり、この目的を掲げ、ここに「糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ研究会」を発足させるにいたりました。

 本研究会は、糖尿病やこれに関連する生活習慣病の臨床とケア、糖尿病を中心とする生活習慣病についての臨床研究・疫学研究、情報(基礎データ)に基づくエビデンスの創出に携わる者が広く集い、それらの活動をさらに向上、活性化させることを目的としています。

 プログラムをご覧になっていただくとわかりますように、今回開催させていただきました第1回の研究会は、わが国の糖尿病に関する疫学研究、臨床研究のショーケースのような構成となっています。研究会への参加により、糖尿病の予防から臨床に至る日本発の成果について議論を深めるとともに、広く知識を得ていただければと思います。
第1回糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ研究会 主な内容
座長:井上真奈美(東京大学大学院)

0-1. コホート研究の食物頻度調査票から算出されるdietary glycemic index, glycemic loadと糖尿病および脳血管疾患のリスクとの関連
大庭志野(群馬大学大学院 保健学研究科)

0-2. 高齢糖尿病患者処方の実態 National Center Diabetes Databaseの分析より
本田律子(虎の門病院 健康管理センター)

0-3. 地域高齢者における糖尿病が認知症発症に及ぼす影響:久山町研究
二宮利治(九州大学大学院 衛生・公衆衛生学分野)

0-4. 糖尿病等の生活習慣病の予防に関する職域多施設研究:J-ECOHスタディ
溝上哲也(国立国際医療研究センター 疫学・予防研究科)

座長:二宮利治(九州大学大学院)

0-5. 内臓脂肪に着目した生活習慣病に関する疫学調査:日立健康研究
山本修一郎((株)日立製作所 日立健康管理センタ)

0-6. インスリン分泌不全に着眼した2型糖尿病発症・進展予防のための研究:Saku Study
森本明子(滋賀医科大学 臨床看護学講座)

0-7. 日本人のがんにおける糖尿病の寄与度の推定
井上真奈美(東京大学大学院 医学系研究科)

0-8. HbA1c値と循環器疾患・がんのリスク―JPHC Study における糖尿病研究
後藤 温(国立がん研究センター 社会と健康研究センター)

座長:林野泰明(天理よろづ相談所病院)

0-9. 出生体重と成人発症糖尿病との関連:Japan Nurses' Health Studyより
片野田耕太(国立がん研究センター がん対策情報センター)

0-10. 糖尿病におけるデータベース駆動型医療研究への応用を目的としたPhenotyping技術開発
中島直樹(九州大学病院 メディカル・インフォメーションセンター)

0-11. 糖尿病予防のための戦略研究 J-DOIT2―経過と結果の概要―
野田光彦(埼玉医科大学 内分泌・糖尿病内科)

0-12. 「糖尿病標準診療マニュアル(一般診療所・クリニック向け)」による診療の質の改善:SEAS-DMスタディ
能登 洋(聖路加国際病院 内分泌代謝科)

座長:中島直樹(九州大学病院)

0-13. 糖尿病患者における低血糖の病態解明とその対策についての研究
辻本哲郎(国立国際医療研究センター病院 糖尿病内分泌代謝科)

0-14. 糖尿病の心理社会背景と糖尿病アウトカムに関する前向きコホート研究:Diabetes Distress and Care Registry at Tenri(DDCRT)
林野泰明(天理よろづ相談所病院 内分泌内科)

0-15. 日本人糖尿病の合併症重症化予防の為の効果的治療戦略・医療連携体制の構築:多施設共同研究(JOMS/J-DOS2/JDEFENS 研究)
日下部 徹(京都医療センター 臨床研究センター)

0-16. 地域課題克服のため糖尿病医療研究基盤の構築と臨床研究への展開
松久宗英(徳島大学 先端酵素学研究所 糖尿病臨臨床・研究開発センター)
[Terahata]

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編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
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