週1回投与の持続性GLP-1受容体作動薬「トルリシティ」が高い服薬アドヒアランスと継続性を示す

第80回米国糖尿病学会(ADA2020)
 米国イーライリリーは、週1回投与の持続性GLP-1受容体作動薬「トルリシティ」(一般名:デュラグルチド)について、GLP-1受容体作動薬の治療を新たに始めた2型糖尿病患者での新しいリアルワールドデータから、週1回投与のセマグルチドまたはエキセナチド(徐放製剤)に対し、有意に高い服薬アドヒアランスと長い継続性を示したと発表した。今回のデータは第80回米国糖尿病学会(ADA2020)で公表された。
週1回投与のシンプルな治療が長期的な影響をもたらす可能性が
 今回の研究は、HealthCore Integrated Re-search Database(HIRD)の2017年8月~2019年6月の米国レセプト情報を用いた後ろ向き実臨床観察研究で、服薬アドヒアランスおよび継続性が比較された。

 対象となったのは、週1回投与製剤であるトルリシティ、セマグルチド、エキセナチドによる治療を始めた2型糖尿病患者。主要目的は、新たに週1回投与のGLP-1受容体作動薬を始める2型糖尿病患者での6ヵ月間の服薬アドヒアランスと継続性を、トルリシティ(1.5mgおよび0.75mg)とセマグルチド(1.5mgおよび0.25または0.5mg)およびエキセナチドで比較すること。

 トルリシティ群はセマグルチド群(3,852ペア)またはエキセナチド群(1,879ペア)に対し、傾向スコアが1:1で一致しており、対象群はベースライン特性でバランスがとれていた。また、対象患者は18歳以上で、ベースラインの年齢、性別、aDCSIスコア、合併症などの特徴が一致していた。

 その結果、トルリシティ群は、6ヵ月時点において、セマグルチド群またはエキセナチド群に比べ、高い服薬アドヒアランスと継続性を示した。さらに、トルリシティ群の治療中止患者数は、セマグルチド群またはエキセナチド群と比較し、有意に少ないことが示された。

トルリシティ 対 セマグルチド (週1回投与)
服薬アドヒアランス*59.7%(トルリシティ) 対 42.7%(セマグルチド)
継続性143.6日(トルリシティ) 対 122.9日(セマグルチド)
治療中止率30.8%(トルリシティ) 対 40.8%(セマグルチド)

トルリシティ 対 エキセナチド (週1回投与)
服薬アドヒアランス*58.1%(トルリシティ) 対 40.3%(エキセナチド)
継続性142日(トルリシティ) 対 121.4日(エキセナチド)
治療中止率32.1%(トルリシティ) 対 49.4%(エキセナチド)

*服薬アドヒアランス:6ヵ月間で8割以上投与ができている患者の割合

 「2型糖尿病は進行性の身体疾患であり、実臨床研究は患者さんの状態と治療に関してさらに理解を深めるために非常に重要です。今回の実臨床研究は、週1回投与であるトルリシティのシンプルな治療価値を裏付け、糖尿病患者さんの治療経験だけでなく、アウトカムに対し、長期的な影響をもたらす可能性を示唆しました」、イーライリリーのメディカルアフェアーズのバイスプレジデントであるLeonard Glass氏は述べている。

 なお、トルリシティの適応症は2型糖尿病であり、日本でのトルリシティの承認用量は0.75mg週1回投与のため、今回の試験の内容は承認用量外となる。

トルリシティ(デュラグルチド(遺伝子組換え))(日本イーライリリー、医療従事者向け)
[Terahata]

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編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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