【新型コロナウイルス】ナファモスタット吸引製剤の開発に着手 ウイルスの侵入過程を阻止 東大・理研など

2020.06.11
 東京大学、理化学研究所(理研)、日医工、第一三共は6月8日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療を目的として、ナファモスタット(商品名:フサン、注射剤)の吸入製剤の共同開発を行うと発表した。来年3月までに臨床試験移行を目指す。

ナファモスタットの吸入製剤化の研究開発を推進

 ナファモスタットは、東京大学医科学研究所の井上純一郎教授(研究当時、現:東京大学特命教授)らが、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の感染の最初の段階であるウイルス外膜と、感染する細胞の細胞膜との融合を阻止することで、ウイルスの侵入過程を効率的に阻止する可能性があることを見出した薬剤。

 ナファモスタットは、急性膵炎や播種性血管内凝固症候群などの治療薬として、日本で長年にわたり処方されており、安全性については十分な臨床データが蓄積されている。

 理研は、「創薬・医療技術基盤プログラム」を設立し、企業や医療機関への橋渡しを推進しており、今回の研究でも多方面の先端技術を用いて研究開発を支援するとしている。

 日医工は製造販売元として、ナファモスタットの点滴静注に関して蓄積してきた臨床データの提供や、研究開発への原薬供給を行う。第一三共は、抗インフルエンザウイルス薬「イナビル」の開発で得た技術を活用して、ナファモスタットの吸入製剤化の研究開発を推進する。

 今後、非臨床試験を7月から開始予定で、2021年3月までの臨床試験移行を目指す。

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