糖尿病治療研究会 設立35周年記念事業
日本精神神経学会、日本糖尿病学会、日本肥満学会の3学会合同による『統合失調症に合併する肥満・糖尿病の予防ガイド』が発行される。統合失調症患者は心血管疾患を好発し平均余命が短く、その対策には肥満や糖尿病を予防することが求められることから、それらの早期発見、精神科と内科の医療連携の確立などに関する留意点などを解説。
「糖尿病医療 進歩の歴史 -全記録年表-」
日本循環器学会と日本糖尿病学会との共編による、両診療科にまたがる合併症に関する最新のエビデンスを集約し、両学会の合同委員会としてまとめた、この領域ではわが国で初のステートメント集。
リアルタイムCGMが保険適用に。施設基準を満たした医療機関でのみ使用可能であり、適用患者も限定される。これに関連し日本糖尿病学会は、「リアルタイムCGM適正使用指針」を作成。使用開始に際しては、同学会が作成する 「eラーニング」の受講が必須とされる。
日本腎臓学会と日本糖尿病学会は、日本医師会の監修のもと、かかりつけ医から専門医・専門医療機関への紹介基準を作成。糖尿病に関しては、血糖管理不良症例のほか、慢性・急性合併症を来している場合、周術期、教育入院などの際には専門医へ紹介し、腎臓病に関しては、顕性アルブミン尿症例、微量アルブミンでeGFR60mL/分/1.73m2未満、尿アルブミン正常でeGFR45mL/分/1.73m2未満の場合は専門医へ紹介するという基準を示している。
小児糖尿病診療を専門としない実地医家を対象として、小児・思春期における1型糖尿病診療のノウハウを平易にまとめた、日本糖尿病学会・日本小児内分泌学会による書籍。両学会編著による『小児・思春期糖尿病コンセンサス・ガイドライン』の内容をもとに、要点を簡潔な箇条書きとしており、実臨床においてすぐに活用できる。
日本糖尿病学会の編著による『カーボカウントの手引き』および『医療者のためのカーボカウント指導テキス』が発行される。いずれも『糖尿病食事療法のための食品交換表』した内容。食品交換表とカーボカウントの連続性が保たれている点が特徴。
日本糖尿病学会と日本老年医学会の合同委員会が、高齢糖尿病患者の血糖コントロール目標を策定。ADLや認知機能、併存疾患数などを評価し、HbA1cの上限だけでなく、下限も設定して、低血糖リスクを可及的に避けることを主眼としている。
定年退職年齢の上昇を背景に、疾患を有しながら職業に就く人が増えていることや、政府が推進する「働き方改革」を鑑み、厚生労働省は『事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン』を策定。対象疾患として、がんや脳卒中とともに糖尿病も取り上げられている。
日本糖尿病学会と日本老年医学会の「高齢者糖尿病の診療向上のためたの合同委員会」が発足。
日本糖尿病学会と日本小児内分泌学会による小児・思春期糖尿病に関する、小児科医、一般内科医およびメディカルスタッフ対象のコンセンサスベースのガイドライン。小児・思春期糖尿病領域において蓄積されつつあるエビデンスを吟味し、小児・思春期糖尿病の診断・治療、患児・家族への支援について明確な指針を示している。
2010年から先進医療として実施されていた肥満外科手術が、この年、保険適用に。
糖尿病の知識を、テーマ別に約3分にまとめた糖尿病学習用動画「糖尿病3分間ラーニング」を公開。約60本×3分間の動画で糖尿病を学ぶことが可能に。2015年には、優秀な短編映像を表彰する「映文連アワード2015」を受賞。
日本糖尿病学会が『糖尿病医療者のための災害時糖尿病診療マニュアル』発行。
日本糖尿病学会が「日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言」を発表。このころから普及してきた糖質制限食に対する同学会の考え方をまとめたもの。
従来、患者背景によらず一律に'優・良・可・不可'と区別していた血糖コントロール目標を、HbA1c6%未満・7%未満・8%未満と3段階とし、個々の患者の病態や治療環境等を考慮し決定するという新たな治療目標が、日本糖尿病学会年次学術集会にて「熊本宣言」として発表される。
糖尿病による透析導入の増加抑制をめざし、「糖尿病透析予防指導管理料」が新設される。管理栄養士や看護師の指導等が算定条件に。またこの年、「妊娠糖尿病患者指導管理料」も新設された。
日本糖尿病協会が従来の『糖尿病健康手帳』を、より医療連携に適した内容に改訂した『糖尿病連携手帳』を発行。
簡易血糖測定器による血糖測定器のため耳朶から採血しようとして穿刺針が貫通し、医療従事者が指を穿刺する事故が複数報告され、医薬品医療機器総合機構(PMDA)等が注意喚起。
『糖尿病合併症 最前線 シーズナルポスト』(監修・企画協力:糖尿病治療研究会、企画・編集・発行:糖尿病ネットワーク、提供:科研製薬株式会社)が創刊される。
主に糖尿病に伴う下肢病変の予防のために、フットケアに関する診療報酬「糖尿病合併症管理料」が新設される。フットケアに関する知識と経験を有する常勤看護師がいること等が算定条件に。
メタボリックシンドロームの早期発見と是対に焦点を当てた「特定健診・特定保健指導」がスタート。
IDF(国際糖尿病連合)が、「食後高血糖の管理にる関するガイドライン」を発表。HbA1cを6.5%未満、食前血糖値100mg/dL未満、食後2時間値140mg/dL未満という目標値を掲げる。
日本糖尿病協会が日本歯科医師会と連携し、糖尿病と歯周病に関する正確な情報知識を有する歯科医師を認定する、歯科医師登録医制度をスタート。
ADA(米国糖尿病学会)とEASD(欧州糖尿病学会)共同の2型糖尿病治療に関するステートメントが発表される。メトホルミンを第一選択薬とし、HbA1c7%に到達しなければ、持続型インスリン等を追加するとし、わが国の糖尿病実臨床とは差異のある内容。なお、同ステートメントはその後3年ごとに発表されている。
厚生労働省から、それまで『日本人の栄養所要量』として5年ごとに発表されてきたものが、この年から『日本人の食事摂取基準』と改題され発表される。従来は栄養素の不足を満たすことを主眼していたことに対し、摂取過剰の回避も目的とした内容に。
『医療スタッフのための糖尿病情報 BOX&Net.』(監修・企画協力: 糖尿病治療研究会、企画・編集・発行:糖尿病ネットワーク、提供:三和化学研究所)が創刊される。
日本糖尿病学会が『科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン』を発行。同ガイドラインはその後、3年ごとに改訂を重ねている。
1998年に初版が発行された『糖尿病性腎症の食品交換表』の第2版が発行され、1単位あたり重量などが変更。
この年の診療報酬改定で「生活習慣病指導管理料」新設。高血圧や高脂血症、糖尿病を主病とする患者に対し治療計画に基づき生活習慣に関する総合的な指導及び治療管理を行った場合に算定可能。
日本糖尿病学会編集の『糖尿病食事療法のための食品交換表』の第6版が発行され、1単位あたり重量などが変更。
日本糖尿病眼学会から、内科-眼科の連携ツールとして『糖尿病眼手帳』が発行される。
日本糖尿病学会、日本糖尿病教育・看護学会、日本病態栄養学会が協力し、糖尿病療養指導士の認定のための機構が発足。翌年に第1回の認定試験が行われた。
前年に制定された介護保険法に基づき、この年の4月から介護保険制度がスタート。介護が必要なった場合にその原因を問わず保障を受けられるのは65歳以上だが、40~64歳であっても、 糖尿病による神経障害や腎症、網膜症、あるいは脳血管疾患や閉塞性動脈硬化症が原因であれば、保障の対象となる。
日本糖尿病学会編集の『糖尿病食事療法のための食品交換表』の姉妹書として糖尿病性腎症治療のための食事療法のテキストが発行される。「80kcal=1単位」という仕組みはそのままに、蛋白質の含有量による区分を追加。
糖尿病の一次予防を目的に県行政もかかわる事業「糖尿病アタックプラン」がスタート。今日の自治体が関与する糖尿病対策の先駆け。
2型糖尿病や高血圧などはそれまで「成人病」と呼ばれていたが、発病や治療には生活習慣にかかわる事柄が多いことが、厚生省(当時)が「生活習慣病」との呼称を使い始める。
『医師、栄養士、患者にすぐに役立つ糖尿病治療のための食品交換表』が改題・改訂され、『糖尿病食事療法のための食品交換表』として発行される。
学校検尿における尿糖検査は自治体ごとに実施されていたが、この年から義務化される。
『糖尿病インスリン療法のてびき』(糖尿病治療研究会 編、医歯薬出版)が刊行される。
患者を対象にした『わかりやすい糖尿病の運動療法ガイド』(糖尿病治療研究会 編、医歯薬出版) が刊行。
インスリン自己注射の保険適用からわずか5年で、血糖自己測定にも保険が適用される。
山形県小国町および舟形町で、糖尿病健診にHbA1cを導入し、健診簡便化の試み。空腹時血糖値とHbA1cでスクリーニングするという今日のスタイル。この時期、空腹時血糖値とHbA1またはHbA1cによるスクリーニングの試みが各地で行われる。
隔月発行の糖尿病医療スタッフ対象専門誌『PRACTICE』(プラクティス)が創刊される。糖尿病医療・療養指導に求められる種々の情報を豊富に掲載。
日本糖尿病学会編集の『こどもの糖尿病 サマーキャンプの手びき』の初版が発行される。現在、同書は第3版。
老人保健法(現在の「高齢者の医療の確保に関する法律」)に基づく健康診査・健康教育制度がスタート。検尿には尿糖、尿蛋白、尿潜血が測定され、糖尿病に関する精密検査として糖負荷試験を規定。
医師・医療スタッフを対象にした『糖尿病運動療法のてびき』(糖尿病治療研究会 編、医歯薬出版) が刊行。
ブドウ糖摂取後の血糖上昇を100とした基準とし、各食品摂取後の血糖上昇の程度を表す「グリセミックインデックス」を、Jenkinsらが提唱。
1型糖尿病の治療に必須であるインスリン注射だが、わが国では長らく自己注射(患者や家族による注射)が認められておらず、ようやくこの年、保険が適用された。
この年、8名の若年発症糖尿病症例に血糖自己測定(SMBG)を取り入れる試験的研究がスタートした。
日本糖尿病学会編集の『糖尿病食事療法のための食品交換表』の初版が発行される。同書は以後、改訂を重ね、現在は第7版。
小児糖尿病患児を対象とし、糖尿病の自己管理法を身につけるためのイベントであるサマーキャンプが、丸山博らによって国内で開催される。初回の参加者は8名。以後、徐々に全国に広がり、毎年夏季に開催されるようになり、現在に至っている。
日本糖尿病協会の編集による患者さん向け糖尿病情報誌、月刊『糖尿病ライフ さかえ』 が創刊される。糖尿病治療情報について、具体的でわかりやすく解説。
日本糖尿病学会編集の『糖尿病治療の手びき』の初版が発行される。糖尿病治療の進歩とともに、同書は既に六十回近くの改訂を重ねていてる。
インスリンが発見された4年後のこの年、米国で早くも小児糖尿病サマーキャンプが開催された。
糖尿病医療 進歩の歴史—全記録年表—
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