「インスリンポンプ+CGM」のオープンソースAIDシステムで血糖管理が改善

2022.09.22
オープンソース開発のAIDシステムで血糖管理が改善

 オープンソースで開発された自動インスリン伝達システムの有効性と安全性を示す研究結果が、「The New England Journal of Medicine」に9月8日掲載された。オタゴ大学(ニュージーランド)のMartin de Bock氏らの研究によるもの。

 自動インスリン伝達(automated insulin delivery;AID)システムは、インスリン製剤を注入するためのポンプ、持続血糖モニター(continuous glucose monitor;CGM)、および、血糖レベルを設定範囲に維持するために必要なインスリン製剤の投与量を判断するアルゴリズムからなるシステム。

 現在臨床で使われているAIDシステムは、メーカーが開発・販売した商用システムが多くを占めているが、商用AIDシステムの臨床応用に先行して、糖尿病患者らがプログラムを公開・共有し修正を重ねてきた、オープンソースAIDシステムが存在する。このオープンソースAIDシステムは世界各地で使用されているものの、米国食品医薬品局(FDA)などの承認は受けていない。そのため、利用者数は世界で2,500人程度と少ないながら、5500万時間以上のリアルワールドデータが蓄積されている。

 Bock氏らは、このオープンソースAIDシステムの有効性と安全性を、リアルタイムCGM機能付きインスリンポンプ(sensor augmented insulin pump;SAP)療法を対照群として比較検討する多施設共同無作為化非盲検比較試験を実施した。

 研究参加者は、1型糖尿病の罹病期間が1年以上、ポンプ使用歴6ヵ月以上でHbA1c10.5%未満の患者であり、小児(7〜15歳)48人〔年齢中央値13.0歳(四分位範囲9.0~15.0)、女児50%〕と、成人(16〜70歳)49人〔同40.0歳(29.0~45.0)、女性61%〕。介入の初期はシステムの使い方に慣れるための期間として設定し、介入の最後の2週間(155~168日)に、血糖値が70~180mg/dLの範囲内にある時間の割合(time in range;TIR)を評価して群間差を検討した。

 解析の結果、AID群の評価期間(介入終了前の2週間)のTIRは、小児は67.5±11.5%(習熟期間から9.9ポイント増)、成人では74.5±11.9%(同9.6ポイント増)であり、有意な改善が認められた(いずれもP<0.001)。一方、対照群のTIRは有意な改善が見られなかった。

 評価期間の両群のTIRには、14ポイント(95%信頼区間9.2~18.8)の有意差が認められ(P<0.001)、AID群は対照群よりも血糖値が目標範囲内にある時間が1日あたり3時間21分長かった。小児と成人とで有効性に差はなかった(交互作用P=0.56)。

 有害事象に関しては、両群ともに、重症低血糖や糖尿病性ケトアシドーシスの発生は報告されなかった。なお、AID群のうち2人が、ポンプの接続トラブルにより脱落した。

 著者らは、「AID群の患者は、血糖値70mg未満となる時間を増加させることなく、血糖コントロールを改善した」と述べている。

[HealthDay News 2022年9月9日]

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